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れもんまんのぼうけん 子どもとおとうさんのための絵本

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折田楓に、東京国立近代美術館のレストランで手がかりとなる東京藝術大学の教授牧口雄介と面談のアポを取っていることを伝えた。 「いい子にしてくれていれば、イタリア料理をご馳走する」 楓の瞳が輝いた。 <湊川探偵事務所 終わりは突然に 一章 了>

東京藝術大学美術部絵画科大学院第2研究室に電話をすると、研究室の秘書が応答した。 有名美術誌の記者を名乗り、美術とグルメの特集を組むことになり牧口雄介教授に登場願いたいが可能か伺ってもらいたい旨伝えた。 牧口は疑うこともなく、面談の場所に東京国立近代美術館のレストランを指定した。

検索アプリが教えた画家の連絡先は、馴染みの名簿屋の工藤に問い合わせた。 東京藝術大学美術部絵画科大学院第2研究室の直通電話番号と日本画素材研究の権威牧口雄介についての情報が必要だった。 工藤は必要最少時間で直通電話番号と牧口がグルメだということを教えた。 工藤に謝礼の額を伝えた。

楓に、これまで知り得たことのあらましを伝えた。 預かった日本画は絵そのものより、和紙が使われていることが手がかりとなった。 真偽は別として検索アプリを使い、特徴的な和紙と牛皮から作った膠が絵の具の定着に使われていることがわかった。 そして、その日本画を描く画家がいることも知れた。

世界が善意ばかりで出来ていないことを理解しなければならないのは私の方かもしれなかった。 「今日の移動は、あなたから依頼された日本画の作者の手がかりを得るために東京に行く。大人しくしておいてくれるかな?」 「はい。探偵さんのおじゃまをすることはありません」 「それはありがたい」

天与の自由時間を使って父の素性を調べることにし、姉に頼んで探偵さんに依頼した、と答えた。 メディアに追い回されたりこれから問われかねない問題はストレスになっていないかとの疑問には、その程度ではスタートアップの起業家はやっていられないのだと、答えた。 憔悴した様子は全くなかった。

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