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今じぶんが居る場所に、していることに違和感を感じている人にこそ、映画『ルックバック』は届いてほしい

『チェンソーマン』などで有名な藤本タツキさんの読み切り漫画の映画版。(Amazonプライムビデオで配信始まりました)


学級新聞の四コマ欄で隣り合わせになることからお互いの存在が、影響を与え始め、二人は合作で漫画作品を作り始めることになる。


二人の運命は交錯し、つくる時間が、運命が重なっていく。


一見美術や創作をしていない人には響かないと思われがちかもしれない。

しかしこの作品には多くの人に響く奥行きがある。


それはこの作品を観ると分かるが、人は興味のあるものや縁のあるものからは、そう簡単に離れられない、忘れられないということ。
そしてそういうものは生きていると幾度となくチャンスとして巡ってくるということ。

離れたとしても、また何度もそれと触れ合うチャンスがあり、その都度揺さぶられ、遅いか早いかの違いだけで、ついには決心し、覚悟を決めてその世界に没入していく。

つまり現在じぶんが居たい場所にいる人だけでなく、何かの理由で離れている人、忘れたふりをしている人にも、この作品は響くのだ。

主人公藤野が春夏秋冬、時を忘れて、机に向かって絵を描いているように、かつてそうやって夢中になった何かがある人には、そのノスタルジーと純粋な情熱を刺激するエネルギーがこの作品にはある。


だからこそ観てほしいと思う人は、どんな人かと言えば、今じぶんが居る場所に、していることに違和感を感じている人にこそ届いてほしいと思っている。


そして思い出してほしい。
周囲の同調圧力や親、同級生、先生のつまらない一言で箱に閉まってしまった、あなたの熱き魂を。
今という現実で一旦そのことを後回しにしているが、その気持ちは奥底に眠っているということを。



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