【インナーマッスル=中森明菜?】筋肉の性格を知ると鍛え方がわかる!その違いを解説
「あなたは、インナーマッスルを感じたことがありますか?」
普通は感じられない。インナーマッスルの声は小さく、自己主張しない筋肉だからだ。
中森明菜のインタビューかと思うほど声が小さい。
だが、関節を動かすための仕事に関しては、明菜ちゃんの歌唱力と同様に繊細かつ力強く、素敵に仕事をしてくれる。
一方、アウターマッスルはいつだって感じることができる。聞いてもいないのに、うるさいくらいに自己主張が強い。
大胸筋が、上腕二頭筋が、広背筋が大声をあげて主張する。
まるで拡声器をもって叫んでいる活動家のようだ。
そして、関節を動かすことについては大雑把な筋肉バカだ(いい意味で)。オレがオレがとすぐに働きたがるところがある。
こんな、性格の違う筋肉たちが、お互いを助け合って関節を動かしている。
しかし、アウターマッスルがうるさすぎることで、インナーマッスルの声はより聞き取りづらくなる。
だから、インナーマッスルが働いていなくても私たちは気づくことができない。
こうして私たちは、わかりやすくて使いやすいアウターマッスルを使う運動パターンにおちいることになり、インナーマッスルとアウターマッスルのバランスが崩れてしまうことになる。
アウターマッスルを使う運動パターンをくりかえすことで、気が付いた時には関節を痛めているということが起こりやすい。
この運動パターンというのが、「導入編」でも説明した下図の左側のことだ。(右側は健康な肩の動き)
この繰り返しによって、知らない間に関節を痛めることになる。
詳しくは、「知らないと損するインナーマッスルの世界(導入編)」をみてほしい。
体幹に目を向けると、
2014年にサンパウロ州立大学からこんな研究報告が出ている。
正しくインナーマッスルを働かせることを学習しないと、インナーマッスルが働かずにアウターマッスルばかりが働いてしまうということだ。
これくらい、インナーマッスルは内気なのだ。
ピラティスの報告と同様に、運動中まったく同じ動作で同じフォームをしているのに、使っている筋肉が違うということは日常茶飯事だ。
怪我をしている人には必ず起こる現象ではあるが、怪我をしていなくても良く起こる。
例えば「腹筋運動しているのに背中が痛くなる」とか「筋トレしていても、どこの筋肉に効いているのかわからない」という経験はないだろうか?
目的の筋肉に対する負荷量が大きすぎたり、その動きに対する柔軟性が無かったり、負荷量に対する精神的な許容量を超えていたりすると、すぐに違う筋肉が働きだす。
これは、防御反応でもあり、目的の動作を達成するための手段でもある。
人の体は上手くできている。
体を守るため、目的の動作のため、使える筋肉はどんな筋肉でも使うのだ。使いたい筋肉を使うともいえる。
リハビリの現場的には、
使いたい筋肉(使いやすい筋肉)を使って運動する人が多い印象だ。
インナーマッスルとアウターマッスルもこのような関係にある。声が大きくて使いやすいアウターマッスルを使いたくなるのだ。
そんな内気で使われにくいインナーマッスルを、正しく働かせるためにはどうすればいいのか?
それは、
「アウターマッスルに気が付かれないようにインナーマッスルを鍛える!」ということになる。
インナーマッスルの世界はつづく。
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