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今週読んだ本をランキングにしてみたから見てみて。[9/30-10/6]

紹介する前にちょっとだけまえがき。

今週は読書週間だった。

 6冊の本を読んだ。自分の中では割と読んだ方だと思う。市の図書館と大学の図書館、この二つを利用している僕は、返却期限という外的圧力を味方につけ、読書習慣を維持している。この方法は、かなりおすすめだ。
 僕たち人間は、怠惰で愚か。そのことを認めた途端、なぜか読書が捗るようになった。さあ、不完全な人間を愛してみよう。

興味の範囲は無限大。 

 最近の興味は、専ら「意識」と「資本主義」である。
 人間の意識がどれだけちっぽけなものであるかを日々実感しているし、だからこそ常識とされていることを疑ってみて創作のアイデアに活かしている。
 もうひとつ、就活を始めた頃から考え続けている資本主義の問題は、未だに答えが見つからない。おそらく答えなどないのだろう。
 まあ、そういうわけで、ジャンルはバラバラだ。それが僕の強みなのかもしれない。今週もいつものようにバラバラで、小説もあれば人文書もあるし、漫画もある。あなたの好みに合う本があることを願って、まえがきを終わろう。

読んだ本をランキングにしてみる。

第6位 : 貴志祐介『黒い家』

 図書館でなんとなく借りた一冊。正直に言って、あまり面白いとは言えなかった。ホラーと謳っているためミステリーの部分は大目に見るとして、あまり怖さを感じなかったのは期待外れと言える。そもそも、僕がホラーに向いていないのかも知れないけれど。
 セリフが説明口調なのも残念だった。必要なのは分かるが、登場人物が教科書もなしに専門用語を正確に使っているのは不自然すぎた。僕はこういった、説教くさい小説が好きではないのだ。少し前に読んだ『ロストケア』もそうだった。こういうのが好きな人もいるのだろうか。
 最後に一言。良くも悪くも『羊たちの沈黙』に似てる部分があり、世界的な名作と比べるのはどうかと思うけど、そちらの方が断然面白いので、この本が好きな人は読んでみてほしいと思う。


第5位 : 辻村深月『ツナグ』

 こちらも図書館でなんとなく。面白くはなかったけど、構成や展開がすごいと思った。章ごとに短編のように読める一方で、中心的な登場人物の謎や背景が徐々に明らかにされていくのは流石だ。
 しかし、第一章があまりにも面白くないのと、いわゆるお涙頂戴ものになってしまっているのが残念だった。僕は昔から、死などの本能的な悲しみをコンテンツの面白さかのように見せるのが嫌いなので、そういうのが好きな人にとっては面白いと思う。


第4位 : 岡本裕一朗『哲学と人類 ソクラテスからカント、21世紀の思想家まで』

 全体としてはあまり惹かれなかったが、一つの発想がものすごく面白かった。それは、デジタルメディアが登場したことで、あらゆるメディアがビットで表せるようになった、というものだ。
 人と人とがつながる時、現代ではその間に0と1の羅列がある。気がついたら僕は、3年ぶりに友達と会う約束をしていた。


第3位 : デイヴィッド・イーグルマン『意識は傍観者である: 脳の知られざる営み』

 この本は全部は読んでいない。まあそもそも、どの時点を持って読んだと言えるのかなんて曖昧なものなのだから、どの本も究極的には読んだと言えないかもしれない。
 しかし、この本の場合はちょっと違う。表紙の裏の、そでと呼ばれる部分に書いてあった文章だけで、読んだことにしていいと思った。それは、こんな文章。

意識が動作を命じたとき、その動作はすでに行なわれているのだ! 巧妙な設定の実験によって確かめられている、これらのことが事実なら、結果が原因の先にあることになり、ものごとの因果関係が逆転してしまわないか。さらには、ヒトが自分の行動を意識でコントロールできないなら、その行動の責任は誰が、どう取るべきなのか……

デイヴィッド・イーグルマン『意識は傍観者である: 脳の知られざる営み』

 原因よりも結果が先にある。本質的には結果しかない。原因なき結果。これは正しく、僕が最近考えていることだった。
 目的なき手段。答えなき問い。今まで考えていたことが次々と繋がっていった。この考えについては、後で書いてみよう。


第2位 : 白井聡『武器としての「資本論」』

 この本に関しては、特に書くことがない。面白かった。それだけだ。マルクスの『資本論』に手を出せていない僕にとって、分かりやすくて理解した気になれた。
 僕は別にマルクス主義者ではない。そもそも、共産主義を提唱したことだけがマルクスの特徴ではない。僕はむしろ、資本主義についての考察にこそ価値があると思っている。マルクスと聞いて敬遠してきた人は、是非この本を読んでみてほしい。


第1位 : 藤子・F・不二雄『藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 (4)』

 本当の名作は、いつまで経っても色褪せない。そんなことを感じさせてくれるこの本は、僕たちの常識がどれだけ特殊なものかをユーモラスに教えてくれる。
 星新一にも似た空気感の漂うSF短編は、僕の創作意欲をかき立ててくれた。また、この短編集を読んで、宇宙は本当に面白いなと改めて感じた。分からないことがたくさんある。ということは、それだけ自由に想像させてくれる。いつまで経っても分からない。そんなものがあったっていいじゃないか。


毎週やるか、考え中。

 一週間で読んだ本をランキング形式で紹介する今回の記事。初めての試みだった。これを毎週やろうか、不定期にしようか、絶賛悩み中だ。
 もし良かったら、「スキ」とか「コメント」とか何かしらの反応をしてくれたら嬉しい。いや、「コメント」なんて贅沢なことは言わない。「スキ」だけで十分すぎるのだから。

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