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評論のようなもの。

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観てきたものや聞いたこと。今まで覚えたぜんぶ。
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記事一覧

『大怪獣のあとしまつ』の面白さを、あなたはまだ知らない。【映画評論】

 あまりにも低評価な映画を知ると、不思議と観たくなる。2022年に公開された『大怪獣のあとしまつ』はその酷評ぶりから、かえって話題を集めることになった。あれから2年経って鑑賞した僕が、遅すぎるかもしれないが、レビューをしたいと思う。  この映画、本当につまらなかった。  観る前から他の人のレビューを読んでいたから、ある程度は想定していたものの、正直ここまでだとは思わなかった。  まず、政治家役の演技とキャラ作りが酷い。どこか実在する政治家を思わせる人物が何人も登場するのだ

今週読んだ本ランキングBEST7。【11/18-11/24】

小説も映画も、金のため?売れる小説。  ここ最近は、ベストセラーと言われる小説を中心に読んでいる。なんとか大賞とか、そんなやつ。つまらない。本当につまらない。どんでん返しとか伏線回収とか、わかりやすい面白さだけを詰め込んで、読者を依存させているようにしか思えない。  例えるならジャンクフード。確かに美味しいんだけど、それは刺激があるだけで、深みも繊細さもあったもんじゃない。そういう小説ばかり売っていると、短期的にはいいかもしれないが長期的には酷い目を見る気がしてならない。

今週読んだ6冊をランキングにしたんだよね。【11/11-11/17】

ちょっとした振り返り。映画を観るようになった。  最近本ばかりで、なかなか映画を観ることができていなかった。でも、今週から再び映画を観るように。きっかけはなんだろう。おそらくYouTubeなんかで観た映画評論だと思う。コンテンツを受け取るだけではなく、こちら側で解釈する。それこそが本当の価値なのだろうと考えている。 作品から商品へ。  小説や映画に触れていると、気が滅入るようなものに出会うことがある。それは世間的には評価をされていて売上も高いのだが、僕の心を蝕んでゆく。

映画『スピード』に見る、資本主義の終焉と加速主義。 【映画評論】

(※以下ネタバレになります。これから観る予定の人はご注意を) 走り始めたら止まれない。  題名にもなっているように、この映画のテーマが「スピード」であることは間違いない。その設定とは、バスの走行速度が50マイルを超えると起爆装置が作動し、それから50マイル以下に落ちると爆破されるというものだ。  これは、資本主義そのものだ。一度スタートを切ってしまったが最後、止まることは許されない。成長し続けろ、稼ぎ続けろ。人や環境に被害があろうと関係ない。目的地なんてありゃしない。走

『すべてがFになる』の、すべてが”嫌”になる。

 最近、人気のある有名な小説を意識的に読んでいる。もともと僕は売れている本にあまり興味はなく、むしろ避けているとも言えるのだが、読んでみないことには優劣がつけられない。そんなわけで、森博嗣『すべてがFになる』を手に取ったのだ。  これは小説の紹介ではなく感想であるため、必然的にネタバレは避けられない。そもそも感想を読もうとするのは既に読んだ人であるのだから気にすることもないかと思ったが、念のため注意しておく。  面白くない小説にも、良いところはある。この小説について言うな

今週読んだ本をランキングで。 【11/04-11/10】

ちょっとしたまえがき。今週はつかれてた。  最近は寒くなって、今まで以上に朝が辛くなってきた。それなのに、「やりたいこと」と「やらなきゃいけないこと」は増える一方。当然、時間はなくなってくる。水曜日には、GitとかGitHubとかをいじってて気がつくと日が暮れていた。  もしかしたら余裕なんてものはやってこないかもしれないし、実は求めていないのかもしれない。時間が空いたらYouTubeで動画を探しているのだから。でも、楽しければそれでいい。案外なんとかなるものだ。 読書は

今週読んだ本をランキングでどうぞ。【10/28-11/3】

ちょっとしたまえがき。図書館は偉大だっていう話。  僕は普段、図書館を利用している。学生であるためにお金がないのだ。大学の図書館と市内の図書館。このふたつを駆使して、読書量をキープしている。だいたいどの図書館でも、一度に借りれるのは五冊、期間は二週間だと思う。この設定が絶妙だ。毎日、少しずつ読み進めてちょうど読み終えられる。  図書館に行くまでに次に借りる本を考える瞬間が、僕の楽しみだ。ジャンルのバランスを考えたり、いま読んでいる他の本との組み合わせを考えたり、なんだか作戦

最近”買った”44冊の本たち。【’24年10月】

読んだ本じゃなくて、買った本。買うだけなら無責任。  読んだ本を公開することが増えてきた。面白い本もあれば、そうでない本もある。そして、面白いと思うかどうかは人それぞれだ。それだけに、自分の感想を言うことにはそれなりのリスクがある。  買った本ならどうだろう。面白そうと思うことには何の責任もない。面白かったのか、そもそも読んだのか、そんなことは分からない。それに、僕自身、他の人が買った本は純粋に気になる。だからこんな記事を書いてみた。初めてだから、これで最後かもしれない。

今週読んだ本をランキングで紹介する。【10/21-10/27】

なぜ働いていなくても本が読めなくなるのか。仕事のことを考えると。  内定者研修ってなんだよ。義務でもなく、強制ではないはずなのに、無言の圧力で支配してくる。だから就職なんて嫌だったんだよ。そんなことを思いながら、適当にこなしている。  仕事に関することとか、「社会人として——」みたいな話をされると、不思議と本を読めなくなる。働いてはいないのに。 向こうにとっては仕事だったり。  僕にとって研修は邪魔なものでしかないけど、会社の研修担当からしたら、仕事だから仕方なくやって

今週読んだ本をランキングにしてみたんだけど、どうかな。【10/14-10/20】

一週間を振り返ろうか。卒論が忙しくなってきた。  僕は大学四年生なので、卒論がある。何をしたら終わりという明確なゴールがないので、時間管理が難しい。きっと働き始めてもそうなんだろうな。仕事のことを考えようと思ったら、いつまででも考えられる。  僕は仕事にも研究にも人生を捧げる気はないので、卒論は平日の午前中だけに制限してみた。辞める勇気も大事。 相変わらず本を読む。  そんなわけで、本を読む時間を確保できた僕は、いつものように読書を楽しんでいる。最近は書く楽しみが大き

今週はこんな本を読んだ。【10/7-10/13】

9冊も読んでしまった。 1週間は7日だ。9冊読んだとすると、1日1冊以上のペースで読んでいることになる。そんなに時間があるわけない。じゃあ、どうして。  そう。読んでいないからだ。「読む」にはかなりグラデーションがある。目を通しただけなのは、読んだと言えるのか。僕は、どこまでいっても、本当の意味で読んだとは言えないのだろうと思う。  だから僕は、読んでいないと主張する。でも、紛らわしいからタイトルは「読んだ本」としておいた。  いつも通り、ジャンルはバラバラ。別におすすめした

ジュラシック・パークは、世界一贅沢な前奏だ。【映画評論】

 『ジュラシック・パーク』を観ました。はい、今更です。自分でも何故このタイミングで観ることにしたのか、不思議でなりません。  正直に言って、内容はそれほど完成度が高いとは思いませんでした。しかし、当時のCG技術からして、あの恐竜の映像は驚くべきものだったとは想像できます。また、琥珀の中に埋まったアリから恐竜のDNAを採取するといった設定や人間が自然を支配しようとする西洋的な考え方に対して警鐘を鳴らすメッセージ性には、人工知能やバイオテクノロジーの進化に注目が集まる現代にも通

今週読んだ本をランキングにしてみたから見てみて。[9/30-10/6]

紹介する前にちょっとだけまえがき。今週は読書週間だった。  6冊の本を読んだ。自分の中では割と読んだ方だと思う。市の図書館と大学の図書館、この二つを利用している僕は、返却期限という外的圧力を味方につけ、読書習慣を維持している。この方法は、かなりおすすめだ。  僕たち人間は、怠惰で愚か。そのことを認めた途端、なぜか読書が捗るようになった。さあ、不完全な人間を愛してみよう。 興味の範囲は無限大。   最近の興味は、専ら「意識」と「資本主義」である。  人間の意識がどれだけち