タヒニ

詩を書いています。簡単に読める短い小説のようなものです。

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最近の記事

誰かの卒業式

graduation アルファベットの文字が並ぶ 校門にアーチのように飾られている 手作り感があって誰が作ったのかは知らない 私はそれを高々と見上げる 卒業という意味 まるでここが頂上だと言わんばかりの仰々しさ 盛大に迎えて盛大に追い出そうという感じ この校門をくぐるのも今日で最後かもしれない そう思うとこのラインにはっきりとした境界線めいたものを感じる 一歩足を踏み入れると別世界 学校とは一種のおとぎの国のような場所なのかもしれない 下駄箱で靴を履き替える たぶんこ

    • 青の世代

      一人でいるよりはいいのか一人の方がマシなのか ハァーとタメ息はつきたくはない そういう気持ちでモヤモヤしている 男4人がバラバラに歩く ガサガサと靴の底がアスファルトに擦れる音がする 外に出ると辺りは薄っすらと明るくなり始めている ピヨピヨと鳥の鳴き声までは聞こえてこない 駐車場に停めた車にダラダラと向かう 朝方のこの時間ではまだ走っている車は少ない たまに通り過ぎる音がするぐらい 駐車場にも少数の車しか停まっていない 車のドアを開閉する音がバタンバタンと続く みんな座

      • 雪の降る砂漠2

        映画のセットみたいだ それがありふれた感想 映画はあまり観ない方だけどたぶんそれで合ってる 古い町並みを再現したような建物が並んでいる そこに実際店が入っていて土産物屋や食堂とかが営業している 店員は普通の格好でコスプレまではしていない 友達は特に興味もなさそうでそれは俺も同じだ 色々歩いてみるけれど特に賑わっているわけでもなくて閑散とした雰囲気 時間の進み方が遅いような感じ スローモーションで緩慢な動き いつまでも割れないシャボン玉を見ているような あまりにも場違い 友

        • 雪の降る砂漠

          なんとなくこんな所に来てみた 車であてもなく走り続けたらたどり着いた場所 観光名所っぽいけど人はまばら 昔の風俗の再現? 時代劇のセットには使えそうな感じ 閑散とした雰囲気 いつ潰れてもおかしくないというような 全然興味が湧かない ポケットに手を入れて周囲を見渡しながらさっそく俺はタバコを吸える場所を探している タバコがあって本当によかったと思う それらしいよくわからない竹で出来た灰皿?を見つける 側にあるベンチも竹で出来ていてよくわからないけどとりあえず助かったとは思っ

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          4本

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          見上げてごらん夜の星を

          夜中のコンビニ午前2時頃 暗闇の中で煌々とする照明に目がくらむ 客は俺以外には誰もいない レジにいる店員は中年以降のハゲかけた白髪の顔が丸いおじさんが一人 不審そうな目つきで俺と目が合う その居心地の悪さに後悔が走る 雑誌が並んでいるのを適当に眺める 漫画の単行本の新刊が出ている 手に取ってパラパラとページをめくるけど読む気にならない 昔は週刊の雑誌で毎週読んでいた 1ページ1ページを食い入るように 読み終わると次の一週間が待ちきれないというくらいに それがあるときにマンネ

          見上げてごらん夜の星を

          タイムリミット

          よくわからないけど道なりに走ってきた なんとなく遠くに行きたい気分だった 免許を取ったばかりで気がはやっていたのが本当だ 助手席には友達が座っている 深夜のバイト明けで悪いとは思ったけど付き合ってもらった 車の中では流行のJ-POPがかかっている 友達は洋楽のCDをかけたいと言うけどそれだけは譲れない 洋楽は受けつけない 聴き慣れているJ-POPの方が良いに決まってる カッコつけるのはやめた方がいい 街中は避けて田舎の方へ向かっている 車は多くなくて道も穏やかなので運転

          タイムリミット

          グレート・ギャツビーを読んで

          時間は一方向にしか流れないという物理的な現実。 そのつまらなさ。 彼は本気だ。 その言葉に一点の曇りもない。 それが全面に溢れている。隙間なくきっちりと。 自分はそれだけのために存在しているんだと一点の疑いもなく。 過去も未来もないその時点だけで存在しているような人物。 まるで光の反射だけによって映し出されている幻影のような。 そこにあるのは美しさではなくて破滅の予感。脆さ。 ハッピーエンドはあり得ない。 懐かしい音楽を聴いた時みたいに。 最初の数音を聴いただけで一気に

          グレート・ギャツビーを読んで

          スカイクロラを読んで

          僕もそう思う 空の上と地上 どっちが現実? そういう話はしない これはそこから離脱するための小説 アスファルトの道路をスクーターで走る もう何回も走った道路 白線の塗料が摩耗してところどころで消えかけている この白線はいつからこの場所に引かれているのだろうと考える 新しいものではないからもう何年も、十年以上は経っているんじゃないか もしかしたら僕が生まれる前、もっと昔からかもしれない 途中にコンビニがある 相変わらずまばらな客数 駐車場だけは無駄に広い これも昔からこの

          スカイクロラを読んで