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『恐怖心』の核~極限状態からのPTSD~

言うに言えなかったこと。
怖くて怖くて言えなかったこと。
言おうとすると固まってしまって、どうにもならなかったこと。
長年にわたり、私をフラッシュバックで苦しめたこと。
統合失調症が悪化した、本当の原因。
それらをすべて、文章化して、吐き出すという作業をやった。

非常に勇気がいることだった。

全て吐き出したあと、やはり 恐怖は襲ってくる。

当時怖くて仕方がなかった、あのどうしようもない恐怖。

あの感覚だけが、全身にずっしりとのしかかってくる。

正直なところ、今 恐怖で身体が震えている。

私の病理の根源は、「この恐怖」にあるのだ。

おそらく 本当の意味で、今 こうやって襲って来る「血の気が引いて体が震えるほどの恐怖心」から、解放されたとき、私の病状は一気に良くなるだろう。

頓服を飲んだ。

それでも体は震えている。
怖くて怖くて仕方がない。
何も怖いことはないというのに、当時 受けていた「恐怖心」ただそれのみがフラッシュバックしている。

これが、DV 被害というもののPTSD なのだろう。
これが、人格を破壊し尽くされた後の、PTSD であるのだろう。
これが、極限状態に置かれたことがあった人間の、PTSD であるのだろう。

その恐怖だけを、まざまざと感じる。

しかし今私はどこか、その「どうしようもない恐怖」を俯瞰して冷静に感じられている。

呑み込まれないでいられる。

頭の先から足の先まで、頭髪や 産毛が逆立っている。
そのくらいの恐怖心である。

ケアマネさんには全て伝えてある。
ケースワーカーさん訪問看護師さんにも、途中までは伝えた。
主治医の先生にはそこまでの話が伝わっている。

両親やお父さんには、細かな部分まで伝えてある。

今日すべて、がんじがらめになっていたところをすべて、勢いで思い切って勇気を出して文章にした。

ここさえ 治療できれば、この恐怖心さえ治療できれば。
私の症状は、大きく 軽減されるだろう。

今 襲われている恐怖、これが私の病理なのだと思い知っているところだ。

なるほど、皮を剥いていくと、真ん中に根っことして残っているものは、当時の あのえも言われぬ恐怖、あの恐怖心だけであった。

こいつが、この恐怖心が、全ての元凶だったのだ。

それが分かっただけでも、大きな発見 だったんじゃないだろうか。

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卯月妙子
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