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2.そもそもメンターとは
まず、メンターとはどういう存在か?という切り口から考えてみましょう。
■業務を教えるのはOJT指導者、上司
多くの組織では、新入社員が入社し現場に配属されると、業務を教えてくれるOJT指導者がつきます。仮に田中さんという新入社員が営業部第1課に配属されたとするならば、3年目の先輩社員の山本さんがOJT指導者にアサインされます。もちろん、その上には上司がいるわけで、山本さんは上司と相談しながら、田中さんの指導・育成を担っていくこととなります。
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私が新入社員だった頃、業務についてはもちろんですが、同期との関係性や、新社会人としての生活についても、このOJT指導者や上司が色々と気にかけ、相談に乗ってくれた記憶があります。
時には午前中にこっぴどく叱られ、うなだれている私を、叱った張本人であるOJT指導者がランチに連れ出して、「それで、お前、最近、彼女とはどうなの?」なんていう具合にプライベートの話をしていたこともあったように思い出します。夜になれば上司が「お、一杯行くか」と声をかけてくれ、「同期とは会っているのか? 同期は大切にしろよ」などと声をかけてくれたこともありました。
■昔に比べると、職場のコミュニケーションや関係性は希薄している?
もちろん、今でも、このようなコミュニケーションや関係性はあるでしょう。しかし、皆が皆、こういった日々を送っているとは限りません。「職場の関係性が希薄化した」という人もいますし、「OJT指導者も上司もビジネスの関係であって、プライベートまで突っ込む必要はない」という人もいらっしゃいます。確かに、世の中全体的に、ビジネスとプライベートの境界線は濃くなったような気がしますが、どうでしょうか(これにはスマートフォンの普及も起因していると私は考えます。昼休憩に、スマートフォンで動画を見ながら一人飯するビジネスパーソンが増えた気がするのは、私だけでしょうか。良い悪いは別として、ね)。
そこで人事は考えるわけです。
「新人の田中さんが新社会人としての生活の悩みや不安を話せる人はいるのだろうか」
「新人の田中さんが、実は職場について悩んでいる時に、気づける人はいるのだろうか」
「新人の田中さんが、急に“辞めたい”と言ってくるようなことはないだろうか」
人事が直接、新人との面談を行っている組織もありますが、人事とて、そのための人員や時間をそう簡単に避けるわけでもありません。
「かといって、OJT指導者、上司に、新人の総合的なケアやフォローを任せるのも難しい」
そう考えた人事が希望を見出すのが、“メンター”という存在ではないでしょうか。
■メンターとは
メンターとは、新人が所属する部署とは別の部署で働き、定期的に新人と面談をして、新人の話や相談を聞く先輩社員である――と私は捉えています。
例えば、営業部に配属された田中さんのメンターは、商品開発部で働く4年目の佐藤さんが適任ではないでしょうか。直接、業務で関わることはないかもしれない。そもそも佐藤さんは営業部の仕事内容はおろか、内部事情も知らないかもしれない。でも、だからこそ、メンターに向いている、とも言えるわけです。
私は、これを“斜めの関係”と呼んでいます。
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つづいての記事は↓
3.具体的なメンター活動
動画での解説はこちら(内容は若干異なります)