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作業リストにスイーツ時間を

分け合うのもいいけれど、ケーキは一人がいいじゃない。
と言ったのは誰だったか。私か。

前日妻が買ってきたレアチーズケーキ。
大きめの一個を家族で三等分して食べた。
ただ四歳息子は乳製品が好きではないようで手つかず。
残りを本日の御三時に私が頂いた。

甘味が脳の疲れを癒す。酸味が眠っていた感覚を呼び起こす。
視界が明るくなり、窓外の小鳥たちの囀りが聞こえた。
執筆合間の至福。欠かせない習慣。


夜、台所から妻の悲鳴にも似た叫びが聞こえた。

「パパー? ケーキ食べちゃったー?」

おーう、と答えて固まる。ん? どういうこと? 
数秒プレイバック――
息子にいらないの? と聞いたら「パパどうぞ」と言ってくれた。
流れで「ママどうぞ」と私は言った。
ママは笑っていた。そう。ただ笑っていた――

以降この話題はどちらからも出ない。
明日コンビニでバスチーを買う。
を、TODOリストの一番上に置いた。


[本日の十七音]

百千鳥

おじさんがケーキをひとり百千鳥

(おじさんがけーきをひとりももちどり)
【季語(春): 百千鳥】


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