蝶生る残り僅かの通園路
妻の早出で朝時間を息子と二人。
起こして、ご飯、着替えさせて、保育園に――
いつものバタバタを覚悟していたら、あらら。
ママが出る直前に起きてきた。
その後も全部言われる前に自分から。
なんなら朝のnote書きに没頭していた私に、
「もう着替えた方がいいよ。パパは遅いんだから」
リトルママがそこにいた。
性格は人との関係性で変化する。
私との間で彼は面倒見のいいお兄さん。
物心ついた時、私は車椅子で彼はベビーカー。
そこからお互い歩けるようになって……あっという間に差を付けられた。
その過程が意識を芽生えさせたのかな。
保育園まで三分の距離も彼には一分。
「待って」の声も聞かず、スタスタ行ってしまう。
供給酸素を増やし早足にするも背中は遠くなるばかり。
どこからか紋白蝶がきて私と並走を始めた。
それを見て「いいや」とマイぺースに戻す。
門につくと、息子は保護者用暗号錠の前で待っていた。悪いな。
「開けといたよ。パパはよく間違えるから」
「……」