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昔、ダメになった記憶。

昼下がりのショッピングモール。
五歳息子が目を輝かす。「あれ何?」
‎ビーズクッションの店、Yogibo(ヨギボ―)。
店頭にお試し用が並んでいた。
洋服探しに行った妻と離れ、父子で時間つぶし。

「落ちつく~」
次々試す息子。黙って見守り、終わるとさりげなく凹みを直してくれる店員さん。申し訳ない。
三周目に「パパ、決めたよ」と断言。
「お誕生日はヨギボ―にする!」
まさかのプレゼント指定――ママと相談な。
保留してその場を離れた。

新婚当時、「人を駄目にするソファー」を買った。
最初は妻と取り合ったが、経年しヘタッてくると座らなくなり……やがて、狭い部屋にただ鎮座するそいつは邪魔扱いに。
一時、息子のオムツ換えベッドになったが……引っ越しを機に捨てた。

「普通のソファーがいいよ」
ママはばっさり。
が、息子は引かずにヨギボ―の良さを熱弁。
昔、包まれた記憶が残ってるのかな?
私は「0歳息子が使っていた画像」がないかを探しはじめる。


ヨギボーに小さな窪み秋の昼

(よぎぼーにちいさなくぼみあきのひる)

季語(三秋): 秋の昼


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