見出し画像

ご縁を大切にするには?【仏教で答える悩み相談39】

人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。

 今月のお悩み

Q 日常のいろんなシーンで「ご縁が大事」と言われますが、ご縁を大事にするために、みなさんが日々心掛けていることはありますか?ご縁を大切にするということは具体的にどういうことでしょうか?(40代・女性)

 A1 
「ご縁」とは日々の自分を変化させるもの


 「ご縁」とは、お釈迦様が説かれたとても重要な教えである「縁起」のことです。そのため、私たち仏教徒はこの「ご縁」を大切にしています。

 では、なぜ「ご縁」を大切にするのかというと、私の個人的な意見でありますが「ご縁」とは科学反応であると思っております。

「ご縁」もこの私があらゆる人との出会いや様々な環境によって、「影響」や「気づき」によって変わっていくキッカケが科学反応になっていきます。
この世の中は、自分の人生を左右するくらいの衝撃的な出来事から自分自身が認識できないレべルの出来事まで、常に大小様々な「ご縁」に溢れていて、日々自分自身がその「ご縁」によって変化していると思います。

お釈迦様の教え、阿弥陀様の救いも大切な「ご縁」であり、日々の変化をもたらす小さな「ご縁」も大事に、意識して生活をしてみるのもいいのではないでしょうか。
(築地本願寺コンタクトセンター担当・大坪 潤)

 A2
我を張らず、謙虚さと感謝を大切に

仏教の思想の根底には縁起があります。全ての存在は繋がりあい、関係しあっているという見方です。意識せずとも一切のものが今の私を支えてくれているのです。そのことを私たちの先達たちは「お陰さま」と言って感謝の言葉としてきました。

無数の縁は日々移り変わっていくため、私たちの思い通りにならないことも起こります。縁は選べることもありますが、基本的には所与性のものです。親や兄弟、クラスメイト、職場の同僚や上司は自分で選んだものではありません。しかし、そこでの縁が、掛け替えのない友人、先輩、家族などとの出会いをもたらすこともあります。我を張ることなく、謙虚さと感謝を大切にして生きていく中に、大切な掛け替えのない新たなご縁に繋がっていくと思います。
(編集委員・酒井昭淳)

A3
いいことも悪いことも自分で引き受ける


  私はご縁を大事にできていないかも。我が身に起きたことや、出会った人/事に嘆き、時には呪いの言葉を吐く。あーなんで私だけ~と、他人を羨む。そんな毎日を送っています(笑)。

 でも、呪いモードも長く続くものではなく、一山越えると、これが私なんだと出会いや事件を含めて受け入れモードに変わります。この受け入れモードの時の心の動き、起きていることの受け止め方が、ご縁に通じるような気がします。

 体調が悪いと、その原因を追及するのではなく、まずは体が休まることをしよう。

 誰かに腹が立っていると、その人の関係性を冷静な心で考えてみよう、など。

 いいことも悪いことも自分で引き受けていくのが、私にとってのご縁を大事にすることかもしれません。
(編集委員・枝木美香)

お悩み募集中!
同コーナー上でお坊さんに聞いてみたい相談がある方は、年代、性別を併記の上、築地本願寺新報社「ちょっと、聞いてよ」係(〒104–8435東京都中央区築地3–15–1)まで、お悩みをお送りください。

※本記事は『築地本願寺新報』掲載の記事を転載したものです。本誌やバックナンバーをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

この記事が参加している募集