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50代女性独身。好き嫌いが激しくて、人間関係が築けません【仏教で答える悩み相談43】

人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。

今月のお悩み

Q 人間関係が上手く築けません。独身です。好き嫌いがはっきりしていて、受け入れられない人はとことん避けてしまいます。もっと上手にやれたらと思いますが、人見知りや余計な一言、譲れない部分が出て、心を開けません。どう対処したら、上手に楽に生きられますか? (50代・女性)
 

A1 人見知りを武器にして

 みんなと上手な人間関係を築くのは難しいものです。「3・3・4の法則」というものをご存じですか。3割は好意的な人、3割は好意的でない人、残りの4割は無関心な人に分けられる法則があるそうです。

 私はみんなに好かれるより好意的に思っている3割の人を大切にすることが重要と思います。また相談内容をみる限り、ご自分自身のことをよくご存じであるのではないでしょうか。

 ここで一番重要なのは「人見知り」であることです。「人見知り」な人は相手をよく観察してコミュニケーションを取れる人です。ご相談いただいた方も相手に合わせて接することができるポテンシャルが十分にある方であると思います。ご自身を理解して、自分に好意的に思ってくれている人のこと大切に。これからの人付き合いの参考にしていただければ幸いです。
(築地本願寺コンタクトセンター担当・大坪 潤)

A2 ご自身の性格を大切に


 世間を上手に渡っている人を見ると、羨ましくなってしまう。自分もあんな風になりたい。あんな風になれないのは自分の性格のせいだ、そう決めつけて気が滅入ってしまう。悩んでいる人に言うことではないかも知れませんが、よくあることです。

 この世はお釈迦さまが喝破したように、思い通りにいかないものです。今のままでは、たとえあなたがものすごく努力して、私の言うとおりに性格を変えたとしても、次の「羨ましい」が待っているのです。

 ではどうしたら良いか。まず人と自分の境遇を比べないよう気をつけてみましょう。そしてもうひとつ、ご自身の性格を卑下することをやめましょう。50年以上付き合ってきた性格は、あなたの経験の賜物であり、大切な部分も多いはず。人生がうまくいかない原因と決めつけないであげてください。
(本願寺新報記者・星 顕雄)
 

A3 大事なのは、笑顔と優しい言葉がけ


 かつて電話相談員をしておりましたが、相談の多くが家庭や職場の人間関係でした。私たちは我と我が思いに固執するが故にお互いに傷あってしまうのです。仏教ではそれを我執と呼びます。我が思いに固執せず、相手の立場を尊重すればいいのですが、実践することは簡単ではありません。

 受け入れてもらえない人を避けてしまうとのことですが、それでいいと思います。私も無理に関わろうとはしません。相手の心をコントロールすることはできません。出来るのは自らの心の持ちようを変えて行くことだと思います。

 心を閉ざすと表情も硬くなります。経典に「和顔愛語」という言葉がありますが、笑顔とやさしい言葉がけが、自然とお互いの心を開いていくのです。まずは心を開いてお話しできる方との時間を大切にしてはいかがでしょうか。きっと自然に笑顔が出てくると思います。
(編集委員・酒井淳昭)
 

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※本記事は『築地本願寺新報』掲載の記事を転載したものです。本誌やバックナンバーをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。