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多田修の落語寺

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本願寺派僧侶であり、大の落語好きとして知られる多田修が、落語と仏教をテーマにしたコラムを執筆します。
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#歴史

時計のない時代、庶民はどうやって時間を数えていたのか? 【多田修の落語寺】

時計のない時代、庶民はどうやって時間を数えていたのか? 【多田修の落語寺】

今回の演題 時そば

 江戸の街で深夜、客がそばの代金16文を、1文ずつ払います。

「一、二、三、四、五、六、七、八。今何時だい?」。

 そば屋「九つで」。客はすかさず「十、十一、十二、十三、十四、十五、十六」と立ち去ります。それを見ていた男が、1文ごまかした手口に感心して、まねしたくなります。

 翌日、そば屋の支払いで「一、二、三、四、五、六、七、八。今何なん時どきだい?」。そば屋「四つで

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