撮られ慣れていない人の魅力を写真で伝える
どうも、プロレスとか役者さんポートレートを撮っているたかはしです。
この度、演劇のブロマイド撮影担当をいたしましたので、その経験について書いてみたいと思います。
なかなか無い経験かと思いますので、少しでも興味を頂いていただけたら幸いです。
(今週で20週連続投稿達成と思っていましたが来週でした。。。)
彩演Project 様
いつも撮影でお世話になっている楪亜紀さんの「彩演Project」様より、動画とブロマイドの撮影の両方をご依頼いただきました。
pointも同様でしたが、出演者様のほどんどと初めまして。
更に、会ってその日に販売用写真を撮らねばならない、というから。。。
しかしながら、役者さんの献身的なご協力の下、スムーズに行程を進めることができました。感謝です。。。
撮られ慣れていない人の撮影
さて、タイトルの回収に参りたいと思います。
役者といえば舞台に立って演技をする人ですが、いざカメラを向けられて同じように振る舞えるかといえば、NOです。
なぜなら、演劇は事前に入念な稽古があり、連続した動きや台詞の中で表現を行えるからです。
一方の写真では、動きが制限され、事前の準備も不足気味。表情も瞬間瞬間で作り込まないといけないなど、条件が違うことによる苦手意識がある方も多くいる印象です。
そんな不慣れな方でも、カメラマンとしては商品価値のあるブロマイドに仕立て上げないといけません。
私個人の所感ですが、「不慣れな人でも魅力的に写す」ことがカメラマンの仕事の大きなポイントであり、出来るか否かがレベルになると思っています。
最終的には、クライアントである団体の代表の要望を実現できているか否かがクオリティになります。しかし、要望に近しい構図や色味でも、表情が硬くなってしまっていると、写真としての価値は下がってしまいます。
なぜなら、写真の価値は撮影行為に伴うのではなく、お客様に購入していただくことで発生するからです。
私の写真のテーマである「誰かのスキにステキを」は、「手に取るお客様に満足いただくための写真を目指す」を含んだものです。これは商業写真における当たり前のことと思っています。
既存の各役者さんのファンだけでなく、演技はもちろんブロマイドをきっかけに新たにファンとなる方を増やすためのコンテンツとしての写真を目指す、というテーマです。
そのためにも、限られた時間の中でコミュニケーションを取り、ポーズの提案をし、イメージについてディスカッションをし、普段なら言わないような誉め言葉やジョークで、自然な表情を引き出す。
そして魅力であるポイントを見つけ出し、引き出せるようリードしていく。
ある意味、「関係性を写す」という以前書いた内容を、10分20分で行っている形です。
撮影と販売を通して感じたこと
撮影までを担当してきて、色々思う事がありました。
・満足してもらえたかが自分のメンタルに響く
不慣れな人もいて、喜んで撮影に臨んでいる方ばかりでないのがブロマイド撮影の現場です。
肌の調子や体質のコンディションなどの影響も出てきます。
そんな中で、「撮ってもらってよかった」「慣れてなかったけどサポートがあって助かった」などの声をいただけたことは嬉しい限りでした。
一方で私の観測ですが、写真に不満を抱く、写真に対しての感想・興味を抱いていない、などのネガティブなリアクションもありました。
私個人がネガティブなこともあり、マイナスの感想が出てしまうと気にしてしまうので、終わった後に打ちひしがれる時間がありました。
単に実力不足な面、コミュニケーションが不十分だった面、相性が悪かったなど、自力でコントロールできる・できないはありますが、精進しなければならない面がたくさん露呈しました。
・お客さんの感想が聞ける
販売の現場に立ち会い、実際に写真を手に取ってもらうシーンを間近で見ることができました。
「いい写真」と言っていただくこともあり、文章では感じ取れない「お世辞でない」感想が聞けたことはいい経験になりました。
・サインが入ると特別感が増す
ブロマイドの一番のキモは直筆サインと思っています。
自分が撮った写真が買われて、そこにサインが入ると、不思議と写真の魅力が2倍3倍に膨れ上がる感覚があります。
この感覚を言語化できるほど語彙が豊富でないので伝えきれないですが、撮影を本気で向き合うカメラマンの方なら共感してくださると思います。
おわりに
ここまで書いてきて何ですが、コミュニケーションに難ありの私がカメラをもってポートレートをやっていることが不思議でなりません。
ただこれまで撮影させてもらった方々との繋がりのおかげで、落ち込んだ時でもあきらめずに続けられたと思いました。
しばらくはゆっくり撮影をして、また現場に望めればと思います。
来週こそは20週連続投稿の記事を。。。