ドラッカー生誕100周年記念式典でジム・コリンズが聴衆に問いかけたこと
(写真は2015年1月に車窓から撮影した日没時のレインボーブリッジ)
ピーター・ドラッカーについて前回ご紹介させて頂きました。
ドラッカーは96歳の誕生日を目前にして、2005年11月その生涯に幕を閉じたのでした。その後、2009年にドラッカー生誕100周年記念式典に出席させて頂く特権に預かりました。
ドラッカーが30年以上教鞭を執ったクレアモント大学院ビジネススクールで式典は行われました。そこで、メイン・スピーカーとしてお話しになったのが、ジム・コリンズでした。ジム・コリンズは、邦訳されている5冊の「ビジョナリー・カンパニー」シリーズの著者であり、ビジネスコンサルタントです。
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
この記事を読んでくださっているあなたが、「最高の自分」に向かって成長するために、少しでもお役に立ちたいと願いながら書いています。
ドラッカーとコリンズの出会い
永続的に成功する企業は何が違うのかについて研究していたコリンズは、研究を進める中、行く先々でドラッカーに会うよう勧められます。
初めてドラッカーに会ったコリンズは「ビジョナリー・カンパニー」の著作をするための調査をしていましたので、永続的に成功する企業について説明をしました。
耳を傾けて話しをじっと聞いていたドラッカーは、
「ジムさん、あなたは成功し続ける(Successful)ことに興味をお持ちで研究をなさっていますから、きっとご成功なさるでしょう。でも、成功することよりも、『役に立つ(Useful)』ことについても、お考えになってはいかがでしょうか」
と話したそうです。
ジム・コリンズはその時以来、ドラッカーとの親交を深め、自分の人生の方向が変わったと話しています。
その後、彼は「ビジョナリー・カンパニー」として研究結果をまとめ、世界の多くのビジネスへ大きな影響を及ぼしています。
コリンズの問いかけ
ジム・コリンズがドラッカー生誕100周年記念で聴衆にクイズを出しました。
クレアモント大学にはピーター・ドラッカーが出版した全ての著作を順に一列に並べてある書棚があります。
ドラッカーは「マネジメントの父」としても知られ、その著作「マネジメント」によって世界に知られるようになりました。
その「マネジメント」は、一列にずらりと並べられた本のどの辺に位置しているでしょうか?というクイズです。
あなたはどの辺だと想像しますか?
集大成として「マネジメント」を書いただろうから、後ろの方だと思うでしょうか?
それとも真ん中当りでしょうか?
ヒント:ドラッカーは「マネジメント」を書いた時に60歳でした。
ああ、やっぱり後ろの方だったのかな、と思いましたか?
実は一列にずらりとならんだ、本の最初の方に「マネジメント」が位置されています。
ドラッカーのほとんどの著作は、彼が60歳以降に記したものでした。
そこで、コリンズが聴衆に問いかけます。
「この会場にいる皆さんの内、60歳未満の方は手を上げてください。」
すると大ぜいの方が手を上げました。するとコリンズは続けて、
「もし、あなたのこれまでの年月と、60歳までのこれからの年月は、あなたが60歳から取り組むライフワークの『準備期間』だったとしたらあなたはどのように生きるでしょうか?」
と問いかけたのです。
人生これから
この式典に出席したときに私は39歳でした。
今でこそ人生100年時代といわれ、セカンドライフの確立が言われるようになりましたが、還暦を区切りにして考えるビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか。
私は2021年現在、還暦まであと4年になりました。還暦後の人生の準備もあと4年に差し迫ってきました。
私も「役に立つ(Useful)」ものとして、一人でも多くの方が、「最高の自分」に向かって成長し、貢献して頂きたいと願っています。
そして、The Best is yet to come!(最善はこれから!)をモットーに前進したいと思います。
あなたは、自分の人生どのように考えますか?
最後までお読み頂きありがとうございます。