ドラッカーの授業で学んだこと
(写真は2018年12月に撮影した富士山)
前回、ドラッカー生誕100周年のことをご紹介しました。
今回は聴講したドラッカーの授業で恥をかいてしまったことについてご紹介いたします。
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
この記事を読んでくださっているあなたが、「最高の自分」に向かって成長するために、少しでもお役に立ちたいと願いながら書いています。
ドラッカーの授業
前々回にご紹介しましたように、ドラッカーはクレアモント大学院でマネジメントの講義をしておられました。
当時の同僚がマネジメントのコースで学んでいた関係で、ドラッカーのマネジメントの授業を聴講させて頂きました。
受講生は全て実際の現場でマネジメントをしているという条件で学んでいます。現場のないビジネススクール生は一切受講できないコースです。
現場を持たない受講生が履修できないのは、ビジネススクールとしては、さほどめずらしいことではないでしょう。
しかし、課題となっている論文を授業の開始前に提出させるコースは、珍しいのではないでしょうか。
ドラッカー曰く、「何を学び取りたいかわからない人に何を語ってもしょうがない。」
コースを履修するなら、現場のマナネジメントにおける課題を明確にし、自分で問題意識を持って解決しようと思っていないものに履修する価値はないとの方針です。
学ぶものも真剣になりますし、教える側も良い意味の緊張感をもって取り組むようになります。
ドラッカーの授業は、毎回真剣勝負です。
日本通のドラッカー
ドラッカーは日本通で知られています。日本に根強いファンが起こされたことも、単に学者としての貢献だけではなく、ドラッカーが日本通出会ったことと関係している様に思います。
日本の経営や経済だけでなく、日本美術のコレクターでもありました。20代の頃に水墨画に惚れ込み、ニューヨーク大学では、美術史の教授として教鞭を執っていたほどでした。
高度経済成長期における雇用の安定を生み出した「終身雇用制度」を高く評価するなど、日本の経営に深い関心をよせていました。
日本人はどのように買い物をするように誘導されたのか?
米国では「反時計回り」、フランスでは「時計回り」で買い物をするように誘導している。小売り世界一位の米国ウォールマートと第二位のフランスのカルフールの店作りに見られる。
ウォールマートでは、店舗の入り口から入った後に「反時計回り」に買い物をして最後にレジに到達するような店作りをしていると説明がありました。たしかにアメリカのウォールマートではそのような店作りをしています。
カルフールでは、入り口に入ると「時計回り」買い物をしてレジに到達する様になっているとの説明がありました。
なるほど、と思っていると
「ミスター・タカザワ!日本のデパートでは、どのように買い物をするように誘導しているのか?」
そう聞かれて、「時計回り?反時計回り?」と考えてしまいました。
答えは、どちらでもなかったのです。
入り口付近にあるエレベーターで最上階の催し物会場に上がり、中央のエスカレーターで降りながら買い物をするようにデパートは作られているのでした。
何を学んだの?
ドラッカーはこのような話しをしながら授業を進めます。
このような授業を聴講しながら教えられることは、
マネジメントとは、「人」についてのことだということです。
人を人として扱う。その「人」は決して一人として同じではないこと。
だから、自分自身も含め、良く「人」を知ることが大切なのです。
あなたの「最高の自分」は、私の「最高の自分」とは違うのです。
そしてみんな違ってそれが良いのです。
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