ミシェル・フーコー+渡辺守章の『増補改訂版 哲学の舞台』を読みました。対談ということもあり読みやすく、フーコー自身が自分の考えや実践について解説してくれています。この本では、キリスト教の〈告解〉の形態が現代の主体という問題に引き継がれていることを言及していて、ここだけでも読む価値のある本だと個人的には思いました。今回の記事はこの本を紹介していきます。まず、フーコーは自身の関心について、以下の引用のように語っています。
と、本の題名にも入っている〈舞台〉という言葉を使って自らが何を問いているかを述べています。そして、自らの専門領域について分析することが重要だと語っています。
以下は、ミシェル・フーコーの考えるキリスト教の〈告解〉についての渡辺守章の言及の引用です。
こちらの本で、フーコー自身の言葉で〈主体〉、〈知〉、〈権力〉について知れたので、檜垣立哉先生の『フーコー講義』を再読して
理解を整理してみました。以下は、気になった箇所の引用です。
この二つの引用で出てきた「折り目」と「従属」は、スピノザの従属に関する指摘やドゥルーズの『襞―ライプニッツの哲学』につながっている概念だと考えられます。
そして、この二つの引用は、規律権力と生政治に関する檜垣先生の要約です。非常に分かりやすくてフーコーの考えについて随分と整理できました。こうした考えが晩年のパレーシアにつながっていくようです。
引用文献
ミシェル・フーコー+渡辺守章(2007)『増補改訂版 哲学の舞台』朝日出版社
檜垣立哉(2010)『フーコー講義』河出書房新社