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このどん百姓が

5

今、俺って本当にアホでバカだなって思った。
自分のことだけしか考えていない。人間誰しもそうだろう。
しょうがないと言われても。そうは思えない。
だって、今の僕つまり自己があるのは他者の存在があるからだ。自己は他者なしには存在し得ない。今の僕というのも純粋な一人の僕なのではなく、他者が集まってできた集合体なのだ。他者の集合体。
だから、この僕というのも一体誰なのかは正直なところ分からない。考えすぎだ、ひねくれている。そう言われてしまえば、それまでだ。
とりあえず、最低な人間だなと思った。いや、最低なのは人間自体なのかもしれない。

                                        *

ここまで書いて、仕事で疲れていたからか、眠くなり寝てしまった。眠気が限界まできていたみたいだ。この雑記帳を開いてみたら、文章が途中で途切れていた。
では、次の日の僕が再開させよう。また、再びこの文章に息を吹きかける。
文にも生の流動性を持ち込む。ずっと永遠に続くかのようにこの文章を書いてみよう。そんなのは無理だということは分かっている。でも、そういう気持ちは案外大事だ。
途切れた文章を覚えていたからか、頭が文章にしたかった内容そのものを覚えていたからか、今日の朝にこの続きを書くのではなく、彼に直接DMでここへ書きたかったことを長文で送った。
今の僕の気持ちを素直に書いて送った。そしたら、やっとその長文のメッセージをきっかけに返信が返ってきた。
「長い 一行目で読むのやめた」と言われた。
とても嬉しかった。ただ、ありがとうと言われるより100倍嬉しかった。少ししか話したことのない人にそう言われたら、普通はとても傷つくだろう。
だから、少ししか会話をしたことがないし、なんなら会ったこともないから、普通はなんだよ、ふざけんなと思ってもいいくらいだ。
でも、すぐに、なんと言えばいいだろう、冗談を言える仲と言ったらいいだろうか、別にさっきの言葉が(笑)とか、(嘘)とか絵文字がなくても単なる照れ隠しというか、そういったことだというのはすぐに分かる。文字からそういったものを感じる。見えないけれども、感じるんだ。
だってそんな長文を、つい何日か前に知り合って、少ししかメッセージでのやり取りをしたことのない人から、そのような熱い愛に溢れた長文を送られても、普通は「キモい」とか思って、スルーするか、既読はつけたとしても無視とか、なんならブロックしても良いくらいだろう。
でも、彼はちゃんと(?)読んで、「長い 一行目で読むのやめた」と送ってくれた。
もちろん、どう思ったかは知らないけれども、僕の思いが少しでも伝わっていれば嬉しい。
いや、伝わってはいるだろう。そう信じて。

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