もう「不法滞在」と言わない
日本で働く外国人は200万人を超えたと言います。
「日本の将来推計人口(2023年)」(国立社会保障・人口問題研究所)出生中位推計によりますと、2024年の生産年齢人口推計は7,346.6万人ですが、10年後の2034年では6.811.1万人となり、10年間で535.5万人も生産年齢人口が減少(7.2%の減少)します。
10年間でほぼ北海道の人口と同じだけ生産年齢人口が失われてしまうのです。
少子化に歯止めがかからない、歯止めをかける気にもなっていない日本は今後、さらに、外国人の労働者に頼らざるを得ないのでしょう。
そして、世界的にナショナリズムが進行しているように思われる昨今、私は、日本でも外国人労働者への、謂れのない差別は確かにありますし、これから更に蔓延していくのではないかと懼れています。
最近、夢中になってみているNHK教育番組の100de名著の『偶然性・アイロニー・連帯』でリチャード・ローティの思想を解説してくれている朱喜哲さんは次のように書いています。
謂われなき差別、不条理な差別を少しでも無くしていくために、普段から使っている語彙を吟味していくことが大切だと感じています。
外国人労働者が増えていく中で「不法滞在者」とレッテルを貼られる方々も増えていくことでしょう。しかし、以下のサイトをみて、普段、何気なく使っている「不法滞在」という言葉は「不当」だと改めて思いました。
なにしろ、「不法」と言われれば何か犯罪者のように勘違いしてしまいます。サイトの文章を紹介しますと・・・
『正規の在留資格をもたずに日本に滞在するのは行政法の範疇に属する「違反」です。そのため、そのことを理由に「不法」とするのは不正確であり、「非正規滞在」などと表現するのが国際標準です。』
私も、これからは、不法滞在ではなく、非正規滞在、無登録滞在などと言い換えることにしますが、英語のundocumented(書類が無い)はニュアンス的にピッタリだと思いました。
未登録っていうのもありでしょうかね?
「人間や社会は具体的な姿形をとったボキャブラリーである。」
これから、もっと、語彙・言葉を吟味し、大切にしたいと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?