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たまごパンとコロッケ
その日、ウサギとカメは麻布十番駅にそっと降り立った。歩き始めたウサギは、店の内装が珍しいお店の前で足を止めた。それはまるで鳥の巣のようで、不思議な雰囲気を醸し出していた。
「見て!ちょっと覗いてみない?」たまご専門店「本巣ヱ」に一歩足を踏み入れたとたん、金色に輝く「たまごパン」がすぐに彼女の視線を捉えた。
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焼きたての「たまごパン」をそっと手に取ったウサギは、パティオ十番のベンチに向かった。そして小さく口にすると、「とてもふわふわで濃厚ね…」と呟いた。その瞬間、周囲は甘く優しい香りで満たされた。
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「口の中が幸せな甘さでいっぱいの時は、逆にしょっぱいものが美味しいの」ウサギのその言葉で、二人はまた街を歩き始めた。
「これね!」彼女が見つけたのは、麻布十番大通りから横道に入った「楽万コロッケ」というお店だった。
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店に入ると、「和牛たっぷりの特上コロッケ、焼きたてを二つお願いします!」とウサギは元気に店員に告げた。やがて「お待たせしました」と声をかけられ、目の前に黄金色に輝くコロッケが二つ、丁寧に包まれて差し出された。
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ウサギは一つを手に取り、そのまま口に運んだ。「アツアツでカリカリね。たくさん牛肉が入ってるわ」と、美味しそうに頬張った。
「次は羅臼のこんぶ塩で味変するわよ」と、塩をふりかけて口にすると、彼女の顔がみるみる驚きに変わった。「おみごと!やっぱりコロッケには塩味ね」
「たまごパンとコロッケの組み合わせは正解ね。全く違った感じで、どちらも美味しかったわ」ウサギは満足げにカメに微笑んだ。
この日、彼女がお土産に選んだのは、「あげもちCOCORO」というお店の「チーズミックス」だった。「どの缶も可愛くてひとつを選べないわ!」と、小さく悲鳴をあげながら、やっと選んだ一品だった。
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