【SUZU Story Vol.4】 「英語が好き」から始まった、「人と話すことが好き」という自分の強みを見つけるまで : 風間梨沙
【SUZU Story】は、SUZU GROUPのスタッフがそれぞれの考えやお店での出来事、新潟への想いを語る企画。
Vol.4は、新潟市の店舗FARM TABLE SUZUに在籍する風間が、「海外」をテーマに自身の経験から得た気づきと、大切にしている考えを綴ります。
みなさん、海外旅行は好きですか?
私は随分と行けてはいないのですが・・・大好きです!
見慣れない現地の日常に飛び込んだり、現地の言語に触れたり。
バスをたくさん乗り継いで大自然に出会いに行ったり、現地ならでは!な、アクティビティに参加したり、ふら〜っと散歩してみたら、思わぬ景色や食に出会えたり・・・
全てが新鮮で、自分の知らないこと・異国の文化に触れることに、ものすごくワクワクします!
振り返っていてすでにワクワクしました(笑)
今回、私は文章を書くにあたり『海外』というテーマをいただいただきました。
海外に興味を持った理由や、異文化に触れて、学んだこと、今活かせてることなど、私の素直な気持ちのままを綴ってみようと思います。
私と英語
学生時代〜就職
「海外に行きたい!」というよりも先に、私は英語を好きになりました。
海外アーティストが好き!海外ドラマが好き!という理由ではなく・・・中学生になってはじめてのテストで英語の点数がたまたま1番良かったから(笑)
今も昔も変わらず、単純かつ1つのことに全力を注ぐ私は、「わーい!英語好きー!」と、中学生の頃は5教科の中で、高校生になってからは何教科もある中で、1番、英語に時間を注いで勉強しました。
でも、全くもって得意というわけではありません。
ただただ、日本語以外の言語に、異文化に、触れることがとても楽しかったです。
その後は、進学や就職に迷う度、“英語”を選ぶようになりました。
語学系の専門学校を卒業した後は、
「英語をつかった仕事をしたい…!」
「お客様1人1人に寄り添ったサービスがしたい…!」
「2020東京オリンピックに携わりたい…!」
という気持ちを胸に、成田国際空港でインフォメーションスタッフとして勤めました。
インフォメーションカウンターには、さまざまな質問が、さまざまな言語で飛び交います。「チェックインカウンターどこ?」「落とし物、届いてない?」「東京へどうやって行くの?」などなど。
大変なことはたくさんありましたが、振り返ると、とても貴重な経験をしていたんだな、と、幻の時間のように感じます。
英語が教えてくれたこと
空港で働くことで気付くことのできた、海外の方とお話しする際に心がけていることがあります。
それは、“最初の挨拶は『こんにちは』と、日本語で話す”ということです。
当たり前のことかもしれませんが、とても大切なことだと思っています。
勤める前までは、世界共通言語は英語だと思い、日本語で話しかけられる以外は英語で話すことが基本で、親切なことだと思っていました。
でも、勝手に英語を話すだろうと判断することは大変失礼ですし、みんながみんな英語を話すとは限らない。今ではそう肝に銘じています。
そう思うようになったのは、当時の先輩からそう教わったことに加え、私自身、旅先で現地の言葉でも日本語でもない言語で話しかけられて、なんだか、少し、いい気持ちでなかった経験があったからです。
いろいろな人がいろいろな言語を話す。顔立ち、肌の色、目の色などで決め付けない。何よりコミュニケーション一つで日本を感じてほしい!日本語を誇りに、大切に使おうと心に決めたのでした。
飲食店で働くようになってから、もう1つ心がけるようになったことがあります。
それは、“お客様1人1人に合った日本語を話す”ということ。
海外のお客様には、日本語を使ってくださる方がたくさんいらっしゃいます!
『ありがとう!』『美味しかった!』など、嬉しいことに、どの方も言ってくださるんです。
私自身、海外へ行くと「現地の言葉で、現地の人と話したいー!」と思うんです。
それと同じように(きっと!)言語の壁はあろうとも、「日本語を話したい!」という気持ちが伝わってくる気がします。
その瞬間、お互いに、話そう!と伝わる瞬間・・・すごく嬉しい気持ちになります。
その気持ちを尊重して、その人に合った日本語を話すようにしています。
普段のスピードで話しても、聞き取れなかったり、日本ならではの丁寧な言葉を使いすぎても、伝わらなかったり・・・そのため、
・ゆっくり話す
・やさしい日本語で話す
・少し英語を交えて話す
といったことを気にかけ、お客様の様子と表情を見てコミュニケーションを取るよう心がけています。
日々さまざまな国からいらしたたくさんのお客様へ迅速な対応が求められる空港と、比較的時間がゆったり流れる飲食店でのおもてなしを、どちらも経験したからこそ気付くことができた、私なりの英語を使う上でのマナーです。
私と1型糖尿病
病気について
テーマからは少し話が逸れますが・・・空港で働きたい理由の一つであった「お客様1人1人に寄り添ったサービスがしたい…!」という部分には、20歳目前の頃に病気になったことも大きく影響しています。
私は、1型糖尿病を患っています。
最初はショックで、「なんで私が?」と、答えが出ないのもわかっているのに、たくさんたくさん考えました。
就活中だったこともあり、仕事のことはもちろん、結婚や出産など、この先のライフステージを考え、「受け入れてもらえなかったらどうしよう」「この身体はどうなってしまうんだろう」と、未来が不安でいっぱいでした。
病気が教えてくれたこと
今では、私自身、1型糖尿病を受け入れることができ、私の1つの個性だ!と仲良く付き合っています。
何より、私の周りのあたたかい人たちが“1型糖尿病でもよかった!”と思わせてくれる瞬間が、今まで本当に本当にたくさんありました。
1型糖尿病を知ろうとしてくれて質問してくれたり、理解してくれたり、低血糖(糖不足状態で、手が震えたり、動悸が起こったりします)の時のために、私以上に飴ちゃんを常備してくれていたり、一緒に休んでくれたり、私が注射を打ち終わるのを待って、一緒にいただきますしてくれたり、ご飯の量(炭水化物の量でどのくらいインスリン注射をするか決めます!)をメモしてくれたり、このように私が1型糖尿病について伝えることを「前向きだ」と褒めてくれたり
・・・本当に本当にたくさんあります。
私のように、パッと見ただけじゃわからない、さまざまな事情を抱えた人がいることを、1型糖尿病を患ったからこそ、考えるようになり、ますます“1人1人に寄り添いたい”と思うようになりました。
私とFARM TABLE SUZU
新潟へ戻ってからは、漠然と「新潟でしかできないことをやりたい」と考えていました。
業種は問わずでしたが、正直、サービス業はもういいかな、と思いながら仕事を探し、派遣社員として製造業やコールセンターで働いていました。(そこで出会った人たちは本当にあたたかい人たちばかりで。
そこでの経験が「私って人が好きなんだ」「人と話すことが好きなんだ」と気付かせてくれました。)
その後、「次の春に正社員として就職する」と心に決め、求人を探す中・・・ある真冬日、スターバックスコーヒーのドライブスルーを利用しました。
店員さんが『お足元の悪い中、お越しいただき、ありがとうございます!』と声をかけてくれたんです。
その瞬間、「素敵!!私もこんな接客したい!!」と、衝撃を受けました。
そして、空港時代から知っていた、SUZU GROUPのことを思い出し、「新潟の魅力を伝える仕事!」「食や健康に関わる仕事!」「今までを活かせる!」「やりたいことが見つかった!」と、本当に嬉しかったことを覚えています。
思い立ったら即行動な私は、2日後にFARM TABLE SUZUへ連絡していました(笑)
私があの時心動かされたようなお声がけや、サービスをしたい!
たくさんの人と出会う、ただ会うだけでなく、今まで培ってきたことを活かして、温かくて、親しみやすい「寄り添う」おもてなしをしたい!と思っています。
お店では、それがつがなったと思える瞬間がたくさんあります。
・アレルギー対応
飲食店で働き始めて、食物アレルギーをお持ちの方と出会うことが日常になりました。
働き始めてまもない頃、『面倒をかけて、すみません…』と申し訳なさそうにおっしゃったお客様がいらっしゃいました。
私も似たような経験をしたことがあります。
私は糖質量に合わせてインスリン注射を打つので、飲食店で「ご飯何gですか…?」と店員さんに尋ねたことがあります。確認する手間をかけてしまったので、申し訳ない気持ちになりました。
だからこそ!
申し訳なく思う気持ちを理解・尊重した上で、“でも、話して良かった!頼んで良かった!”と思っていただきたい!と思うようになりました。
詳しくアレルギーについてお聞きした後、「大丈夫ですよ!準備しますね」と明るく声をかけると、パッとお客様の表情が変わったんです。『ありがとうございます!』と感謝された時は、とても嬉しかったです。
・同じ病を持つお客様
お店に来る方は食事で来られる方が多いため、糖尿病患者さんと出会うこともあるんです。
ある時インスリン注射をされている方がいらっしゃることに気付き、ご飯のg数お伝えすると、すごく喜んでくれました。
また、私がリブレ(採血しなくても血糖測定ができる機械。センサーが腕についています!)をつけていることに気づいてくれ、話しかけれくださったり、時には「頑張りましょうね」と声をかけたりしてくださる方もいらっしゃいました。
飲食店で働くからこその出会いに、私はすごく励まされます。
・手話対応
耳の不自由なお客様とも何度かお会いしたことがあります。
手話で『私 手話 少し 出来ます』と話すと、パッと表情が変わるんです。その瞬間・・笑顔になる瞬間は、やはり嬉しいです。
空港にいた頃に学んでいたものの、完璧に全部手話で話すことは出来ないので、マスクを外して、口を大きくゆっくり動かし、筆談も交えながらお客様とお話をします。
お帰りの際に仲良くなって、「また来てください、って、手話、どうやるんですか?」と手話をお客様から教えていただいたり、再度来店してくださったり、物販コーナーで一緒に選んで、商品を購入してくださった方もいらっしゃり、すごく嬉しい経験でした。
・海外のお客様への対応
コロナの終息が見えはじめ、最近では海外のお客様が多く訪れるようになってきました。そこで、お店の学生スタッフがこんなものを用意してくれました。
海外のお客様がいらっしゃると身構えてしまうけれど、少しでもコミュニケーションを取れたら・・・という思いから、スタッフとお客様の気持ちを考えて、作ってくれました。(学生スタッフの思いやりと、「やってみたい!」にも感激!)
日本へ訪れて、新潟で出会った飲食店で、美味しいお料理はもちろんですが、このように現地のスタッフが、言語の壁を超えて寄り添ってくれることって、すごく嬉しいし、きっと思い出の1つになると思うんです。
サービスはもちろん、新潟らしいお料理でヴィーガン、ベジタリアンといった様々な対応を行えるのも、FARM TABLE SUZUの魅力の一つだと思っています。
最後に・・・
「英語が好きー!」からはじまり、選択してきた道の中で、たくさんのことを学び、経験してきました。
周りの人が気づかせてくれた、ずっと大切にしていきたい私の強みは、“人と話すことが好き”ということでした。
そして、それに気付けたから出会えた、FARM TABLE SUZUでの日々。
もちろん、大変なこともあります。でもその分、嬉しさも楽しさもやりがいもたくさんあります!!一度サービス業から離れたからこそ、今は心の底からそう思っています。
面接時、三元店長から「風間さんの集大成みたいな、そんなタイミングでここを見つけたんですね!」と声をかけていただいたこと、本当に嬉しく、感動したことを、今でも鮮明に覚えています。
まさにそうだったんだなと。
今まで培ってきたことを活かし続けることはもちろん、これからもっとたくさんの人と出会い、もっとたくさんのことを経験し、サービス・おもてなしから、あたたかくて大人も子どもも安心するFARM TABLE SUZUを作り上げていく1人として、努めていきます。
風間梨沙
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