秋冷の北の旅
秋風に誘われて
哀しみを背負って
北へ一人旅
潮騒に漂う未練心
夕暮れせまる 秋のかすみ空
おぼろげに浮かぶ 舟影
海のゆりかごに 漂う島陰
時のなかの こころ模様
ひかりが落ちていく
遠く霞む島影は
過ぎ去った日々の陰
冷たい風が記憶を連れてくる
彼の日の温かなぬくもり
もう二度と戻らない
叶わぬ願いに ため息ひとつ
夕暮れの静寂に溶けていく
虚しさを奏でる波の音
冷たい風に吹かれながら
私は立ち尽くす
過ぎ去った日々への想いは
北の海に消えていく
たそがれ老人の余談です
むかし 車中泊で 北へ一人旅 秋冷の野付半島 フォトブックの一枚からイメージを 恋に破れた男 野ざらしの 木枯らしに たたずむ男の心情を 思い巡らし詩にしました
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