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小説・シナリオ集

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脚本家・作家矢野堅太郎(凄乃剣太郎)の小説・脚本を掲載する。連載小説や連続ドラマのシナリオを隔週を予定して発表、購読していただければ。
他の小説やシナリオには見られない作品を購読することが出来る。
¥3,000
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#時間

偉大な才能を目にしたときの対処法

偉大な才能を目にしたときの対処法

◯才能に圧倒される瞬間

人生で一度くらい、「これ、私には一生無理だな」って感じるような才能に出会ったことがあるはずだ。それは映画のスクリーン越しだったり、コンサート会場の席からだったり、意外と身近な職場や学校の友人だったりする。

才能を目の当たりにすると、感動と羨望、そしてちょっとした劣等感が混ざったような気持ちになる。「なんでこんなにすごいんだろう」と同時に、「自分には何があるんだろう」とつ

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人生はマルチジョイ?

人生はマルチジョイ?

〇マルチジョイ時代の疲れ

現代は「マルチジョイ」の時代だ。スマートフォンの画面をスクロールすれば、無限に広がる娯楽の世界。SNSで誰かが投稿した絶景写真や流行りのダンス動画、最新の配信ドラマや映画。音楽ストリーミングサービスでは「次に聴くべきプレイリスト」が常に提案され、気づけば複数の娯楽が同時進行で押し寄せてくる。

このように、私たちは日々マルチタスクで「楽しむ」ことを求められている。映画を

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なにもしない苦痛

なにもしない苦痛

突然の空白が生む苦痛

ある日、予期せぬイレギュラーが私たちの生活を襲う。それはアクシデントかもしれないし、職場の方針転換、あるいは個人的な事情によるものかもしれない。これまで描いていた仕事の展望が突然消え去り、実際にやっていた仕事さえもなくなったとき、人は深い無力感に包まれる。

「なにもしない時間」が突きつける現実は予想以上に苦しいものだ。忙しい日々に追われていた頃には、何もせずに休める時間を

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情報に呑まれる 流行には最後尾で追い付け!

情報に呑まれる 流行には最後尾で追い付け!

情報が溢れる時代に生きる私たち

私たちは情報の洪水の中で生きている。朝起きた瞬間からスマートフォンを手にし、SNSをスクロールしてニュースや友人の投稿を眺める。仕事や通勤の合間にはイヤホンを耳に入れ、音楽やポッドキャストを聞く。帰宅してからも、テレビや動画配信サービスで映像を楽しむ。これらすべてが、意識的であれ無意識的であれ、私たちの脳に膨大な情報を注ぎ込んでいる。

しかし、この情報量はもはや

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創作と肉体労働 書く時間がない!

創作と肉体労働 書く時間がない!

創作と肉体労働の現実「書く時間がない!」と叫びたくなる日々がある。朝から晩まで肉体労働に追われ、帰宅する頃には疲労困憊。頭の中では次々と物語のアイデアが浮かぶのに、それを形にする時間も体力も残っていない。そんな状況を経験したことがある人も多いのではないだろうか。

肉体労働は特に、創作に向き合う時間を奪う。長時間の労働で体力が削られるだけでなく、単調な作業の繰り返しによって、想像力や創作意欲も失わ

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シングルタスクの禍福

シングルタスクの禍福

「一度にいろんなことをやれるようになりたい」――その思いを抱いたことは何度もある。周囲を見渡せば、同時に複数のことを器用にこなしていく人がいる中で、自分はどうしても「一つずつ」しか進められない。それが私自身の特徴なのだと気づいたのは、比較的最近のことだ。

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