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小説・シナリオ集

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脚本家・作家矢野堅太郎(凄乃剣太郎)の小説・脚本を掲載する。連載小説や連続ドラマのシナリオを隔週を予定して発表、購読していただければ。
他の小説やシナリオには見られない作品を購読することが出来る。
¥3,000
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記事一覧

浅倉透=タイラー・ダーデン 樋口円香=ジャック説 シナリオ初稿

Madoka Higuchi wakes up with a gun pointed at her mouth. It's a dimly lit office room, but every desk and chair has been removed, and Madoka Higuchi is forced to sit in a shabby office chair while som

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創作メモ老人の国

七人の侍+楢山節考=
ワイルド・バンチ+PLAN75=
龍三と七人の子分たち+西部劇=
七人の侍+ワイルドバンチ+楢山節考=

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親落語

シークエンス1: オープニング・イメージ

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大いなるいたちごっこ、SNSで行われる二元論の対立

大いなるいたちごっこ、SNSで行われる二元論の対立

SNSが生む「いたちごっこ」

SNSは、人々が簡単に意見を発信し、共有する場として進化してきた。しかし、そこで行われる議論や対話はしばしば建設的な結論に至らず、単純化された二元論(善vs悪、正vs誤、賛成vs反対)に陥る傾向がある。この二元論は、一見すると分かりやすい構造を提供するが、実際には対立を助長し、問題解決を妨げる要因にもなっている。

SNSのタイムラインを眺めていると、まるで終わりの

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自分だけが世界の不幸を背負っている臆病者の哀しさ

自分だけが世界の不幸を背負っている臆病者の哀しさ

○孤独な被害者意識と自意識過剰

「自分だけがこんなに苦しい」「自分だけが世界の不幸を背負っている」。SNSを見ていると、そう言わんばかりの投稿がしばしば目に飛び込んでくる。特にフォロワーを多く抱えるインフルエンサーが、そうした感情を赤裸々に語ることが多い。

一方で、その発言に対して「共感」を寄せる声と同じくらい、「自意識過剰」「被害者ぶるな」という批判も巻き起こる。彼らの言葉は、誰かの心を癒す

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偉大な才能を目にしたときの対処法

偉大な才能を目にしたときの対処法

◯才能に圧倒される瞬間

人生で一度くらい、「これ、私には一生無理だな」って感じるような才能に出会ったことがあるはずだ。それは映画のスクリーン越しだったり、コンサート会場の席からだったり、意外と身近な職場や学校の友人だったりする。

才能を目の当たりにすると、感動と羨望、そしてちょっとした劣等感が混ざったような気持ちになる。「なんでこんなにすごいんだろう」と同時に、「自分には何があるんだろう」とつ

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人生はマルチジョイ?

人生はマルチジョイ?

〇マルチジョイ時代の疲れ

現代は「マルチジョイ」の時代だ。スマートフォンの画面をスクロールすれば、無限に広がる娯楽の世界。SNSで誰かが投稿した絶景写真や流行りのダンス動画、最新の配信ドラマや映画。音楽ストリーミングサービスでは「次に聴くべきプレイリスト」が常に提案され、気づけば複数の娯楽が同時進行で押し寄せてくる。

このように、私たちは日々マルチタスクで「楽しむ」ことを求められている。映画を

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高等遊民のための映画鑑賞法

高等遊民のための映画鑑賞法

映画は誰のためのものか

映画とは何だったのか。かつてそれは大衆のための娯楽であり、芸術であり、社会を映す鏡だった。誰もが映画館に集い、笑い、泣き、怒り、感動を共有することができた。それは特別な体験であり、生活の中の大切な一部でもあった。

しかし、現代の映画を見渡すと、その役割が大きく変質しているように感じる。NetflixやAmazon Prime Videoなどの配信サービスが映画館の代替と

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負け犬の処方箋

負け犬の処方箋

 負け犬とは何か

負け犬。その響きには、敗北者や落伍者を指す冷たさがある。この言葉を浴びせられるとき、人は「失敗者」の烙印を押される。そしてその「臭い」は、どれほど努力しても消えないものとして扱われる。負け犬には牙がない。それどころか、噛みつくための犬歯さえどろどろに溶け、誰にも抵抗できない弱さを象徴する存在だ。

負け犬の臭いは強烈だ。社会の中で「勝ち組」と呼ばれる人々から見れば、その臭いは不

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