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40年ぶりの交流
中学校2、3年のクラスは今も時々同窓会をしている。その話を友人にすると、
「○周年記念で学校全体や学年で同窓会を開くこともあっても、クラス単独でやってるところはないんじゃない?よっぽど仲が良かったんだね」とのこと。
もちろん、幹事をしてくれる人たちのお世話が行き届くのだが、私は1つの要因として、担任がとても厳しかったので、みんなの結束が固くなったのだと思っています。
もともと還暦の時に集まろうと約束していたのですが、コロナの感染拡大で取りやめになり、今年の春にランチ会が開かれ、都合がつくメンバーが集まりました。
その時に、近況報告をお互いしあったのですが、今まで健康体だったのに
病気した人。約4年、会えなかった間に、既に亡くなった人。
本当にいろいろな出来事がこの数年で、みんなに起こっていました。
自分のことだけでなく、親の介護の問題もあります。
その集まりをきっかけに、グループLINEを作ってみんなで連絡を取り合うようになりました。お店をしている人のところには、食事に行ったり、週一回パン屋を開いてる友達の所には買いに行ったり・・・
そんな中、Kくんと頻繁に連絡を取り合うようになりました。中学時代は思春期ということもあり、男子とそんなに話した覚えもありません。
覚えているのは、私が初めて勤めた学校に、Kくんが偶然営業に来てわずかながら商品を買った記憶があります。彼が言うには、その時は仕事が厳しく、辞めたいという気持ちがあったそうです。でも私を見て続けようと思ったとのこと。だから感謝していると言うのです。そう言われても、私には全く思い当たるふしがないのです。ただその当時は、初任者だったので訳もわからず、がむしゃらだったとは思います。
お母さんの介護をするために、定年で仕事を辞めて、熊本に戻ってきたKくん。
毎日、お母さんのところに通い、畑で野菜も育てているそうです。
釣りが趣味で「今度釣れたら持って行くよ」と。
私は軽く「その時は、お願いします」と答えていました。
そうしたら「呼子のイカがあるけど、刺身は食べる?」と連絡が入りました。
九州では、佐賀県の呼子のイカはとても有名です。透き通って甘みのある
おいしいイカ。
それこそ20年位前に、呼子のイカを食べる日帰りツアーに参加したのが、
最後でした。
「ところで刺身はできる?」その問いには一瞬、ぐうっときました。
でも、できるふりをせず、素直にいうことにしました。
「刺身包丁は持ってるけれど、切り方が良くないと美味しくないよね」
そしたら、全てを察してくれ、
「わかった。刺身にしてから持っていくね。それと、ゲソも食べる?」
私は、めったにないので、遠慮しないことに決めました。
「ありがとう。いただきます。それで天ぷらを作ってみようと思う」
もらったイカの刺身を見ると、プロのように美しくひいてあります。
プラスチックのお皿には、青紫蘇をひいて、飾りに南天の葉が添えてある
という凝ったもの。
食べるのがもったいないくらいです。彼がこんなに器用で、繊細だとは全く
知りませんでした。
私は、呼子のイカを余すところなくいただこうと思って、YouTubeで
ゲソの揚げ方を調べました。今まで海老の天ぷらは作っても、イカは、
油はねが怖く、生を揚げたことはありませんでした。
下ごしらえとしてのポイントは
○吸盤が跳ねやすいから、包丁でそぎ落とす。また、両面に刻みを入れておく。
○水分を取り去るためにキッチンペーパーを使うが、しっかり水分を取る
ため2回、吸水させる。
○天ぷらの衣をつける前に、薄く薄力粉をまとわせておく。
昔はレシピを見て料理をしていましたが… YouTubeを見るとほんとに手際が
よくわかります。また油の温度設定も音の変化でつかめました。
私は料理をする時、なるべくほったらかしにするようにしています。混ぜすぎると美味しくなくなるからです。ムニエルなど、フライパンで魚を焼く時も音が変わったらひっくり返すようにしています。そうすると皮もカリッと仕上がるようになってきました。
その夜の夕食は豪華版でした。イカのお刺身。かぼちゃの煮物。
ゲソの天ぷらにきゅうりの酢の物。
お礼に作った料理の報告をしたら、持っていったものを全て使っているので
喜ばれました。こんな時、食いしん坊なのが役に立ちます。
友達にその話をしたら、「おさかなクン、優しいね。釣り好きの人は
自分で料理をするとは聞いてたけれど、よかったね」と言ってくれました。
いつに間にか、彼の名前がおさかなクンに⁉︎
今回、思いがけずイカをもらったので、天ぷらにしようと思いつき、
下ごしらえのポイントがわかりました。動画のおかげで、これからは、
天ぷらがいつでもできます。レパートリーが少し広がって嬉しくなりました。