「最後の夕焼け」

「お疲れ様でした!」
 高校最後の引退試合を終えた。短くも早い三年間だった。最初、絶対に仲良くなれないと思っていた奴らも今ではたまにある休日で遊びに行くくらいの中になった。

 笑ったり、泣いたりしたこのグラウンドとも後、数ヶ月でおさらばだ。体育の授業ではまだ使うだろうが俺からすれば、一幕の終わりだ。

 すると携帯が鳴った。『校門の近くで待っている』一言添えられたメッセージが送られて来た。友人達のからかいから逃れるためにそそくさと移動すると約束の場所に一人の少女がいた。今、俺が交際している子だ。現役時代から懸命に支えてくれたマネージャーだ。

 彼女と手を繋ぎながら、茜色が染まる道を歩いた。普段なら疲労困憊で今か今かと思っていた下校時間がこの時に限っては永遠に続いて欲しいと思った。

 彼女を送り、家に着くと友人から俺と彼女の下校中を後ろから撮った写真が送られて来た。怒りと小っ恥ずかしさで思わず頭を殴った。

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