膝関節疾患で評価された動作の種類ランキング
📖 文献情報 と 抄録和訳
膝の筋骨格系疾患に対する下肢のパフォーマンスに基づく評価と自己申告による結果測定による身体機能の評価
[背景・目的] 身体機能評価は、膝の筋骨格系の疾患の管理において重要な要素です。 膝の疾患を持つ患者の身体機能を評価する自己報告型アウトカム評価(SROM)およびパフォーマンスベースのアウトカム評価(PBOM)は多種多様である。 しかし、これらの評価内容についてはこれまで調査されていなかった。目的:変形性膝関節症(OA)、前十字靭帯(ACL)損傷、膝蓋大腿関節症候群(PFP)を持つ人々を対象に、下肢のパフォーマンスベースアウトカム評価(PBOM)およびセルフレポートアウトカム評価(SROM)によって評価された身体機能の範囲と頻度を調査する。
[方法] 範囲を定めたレビューを実施した。膝OA、ACL損傷、およびPFPを患う集団を対象とした膝機能結果測定の開発または測定特性研究を含めた。各測定で評価された身体機能を抽出した。特定された各身体機能は、国際生活機能分類(ICF)の枠組みのコードと関連付けられた。
[結果] 4146件の記事がスクリーニングされた。合計143件の記事が採用された。評価された身体機能の数は、SROMでは中央値で9つ、PBOMでは1つであった。
■ 膝関節疾患で評価された動作の種類ランキング(全疾患)
膝OAおよびPFP患者を対象とした評価では階段昇段が最も多く評価された身体機能であったが、ACL損傷患者を対象とした評価ではジャンプが最も多く評価された身体機能であった。
[結論] SROMはより幅広い身体機能を評価するのに対し、PBOMは個別の活動に焦点を当てる。ACLおよびPFPの評価では、膝OAの評価よりも困難な身体機能が評価された。現在の身体機能の評価方法は、軽度または多様な障害レベルを持つ膝OA患者のパフォーマンスを評価するには適していない。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
「当たりをつける」ということは大切だ。
例えば、とある疾患において、どの動作が障害されているかを考えたとき。
極端な話だが、「当たりをつける」が事前に全くなかった場合、全種類の動作を1つ1つ入念に確認していくことになる。
そして、その中で「ああ、それです」となった項目に関して、さらに詳細な評価や治療を行っていくわけだ。
これでは、時間がかかり過ぎてしまうし、的確に的を得ない場合もあるだろう。
だからこそ、疾患特異的に障害されやすい動作を事前に知っておくことが重要になるだろう。
今回の研究は、まさにその部分に役立つ研究となっている。
膝の筋骨格系疾患において評価された動作の種類ランキングを示してくれた。
「評価された動作」≒「疾患特異的に障害されやすい動作」と考えて差し支えないだろう。
それによれば、階段昇降、立ち上がり、歩行は膝の筋骨格系疾患において特異的に障害されやすい動作のビッグ3となるようだ。
まず、これらの動作には「当たりをつけて」、優先的に問診、評価を進めていくことが望ましいだろう。
迅速に障害部位を特定し、効果的な治療をする。理想に近づきたい。
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