やなぎだけいこの店。#19「バカなおとなにならない脳」。
★「やなぎだ けいこの店」では、日々、我が家で選び楽しんでいる絵本や店主が読んだ本・最近おもしろいと思ったもの・こと・美味しいもの・やなぎだけいこレシピ、暮らしの中の発見・・・などなど、をマガジンにまとめ、紹介していけたらと思っています。★
今日のご紹介は・・養老孟司さんの「バカなおとなにならない脳」。
養老孟司さんとの出会い。
私が養老孟司さんの本を手に取ったのは、長男が2歳から通っていた幼稚園の園長室でした。
本棚には、様々なジャンルの本があり、貸出しもされていました。
私の目に飛び込んで来たタイトルは、
「虫捕る子だけが生き残る」でした。
長男は、毎日、毎日、オニヤンマやらカラスアゲハを追いかけていました。
養老孟司さんの本を読み、「虫が、全てを教えてくれる。私が教える事は何もない。」と深く納得したのでした。
この本は、また次の機会にご紹介したいと思います。
大人が読むことで、忘れていた大切な何かを思い出す。
図書館の思春期世代・ティーンズの子どもたち向けコーナーの蔵書は、なかなか興味深いです。
大人が読んだらいいな、と思う本が沢山あります。
こちらの本も、その中の一冊。
私はこどもの頃から、大人が苦手です。
社会的には、大人と、言われるようになった今も、変わらないかもしれません。
未だ、「大人って、わけがわからない…」と、思うこと多々あります。相手からしてみれば、私の方がわけがわからない存在なのだろうけど。
そして、いつも思うのです。
「私は、子どもの頃に、自分が決して成りたくない、と思っていた大人になっていないだろうか?」
子どもたち向けに書かれている本を読むと、自分の今の在り方を見つめられる気がします。
自分は、こどもの頃、何に矛盾を感じていたのか。
今の自分がどうやってその矛盾を受け入れたり、受け流したりしているかを感じられると思います。
「自分の思うようにならないことと付き合っていく大切さ」をさらりと伝える存在の必要性。
養老孟司さんは、様々な質問に、「あのね、社会や人間ってそういう要素を含んだものなんだよ。」と、さらりと伝えている。
自然を身近に感じることで、自分が、人間が、思うようにならないことが、沢山ある事を体感できると。
そして、あらゆる「社会的違和感」は、大人になったからといって、無くなるものではない。
だけど、それと如何に折り合いをつけたり、つかなかったりしながら、生きていくのか。
長く生きる中で、変わりゆく日本を見て、感じて来たからこその言葉だなと思います。
やさしく、でも、決して変な甘やかしはそこにはありません。
養老孟司さんみたいなおじいちゃんが、こどもたちには必要だよなぁ。
いや、むしろ、私達、親世代にこそ必要なのかもしれません。
私は、バカな大人になっていないだろうか。
・・・自信ないなぁ。
日々、反省しながら、生きて行こう。
バカな大人が溢れる社会で、子どもたちが学ぶ事も色々あるかもしれませんが、出来るこたなら、大人になる楽しさや希望も少しは感じて欲しい。
それには、まず、私からだな。
養老孟司さんは、こんな事も書いてらっしゃいます。
「〈子どもは自然〉っていうのはね、人間の身体が自然であるように、子どももまた自然なんだってことですよ。なぜならね、子どもは、意識的に設計できないから。そうでしょう?そういう意味です。」
私は、身近に、あらゆる自然を日々感じていることになります。
決して、「〈自分の思うようにならない〉自然である子どもたち」を。
ありがたいことです。
大人たちに、特にオススメしたい本です。
とても読みやすいので、夏休み中に是非。
みなさんの暮らしの色が増えますように。 店主・やなぎだ けいこ