漫画みたいな毎日。「あ、今日ってバレンタインデー?!」
気がつけば、今日は2月14日。世の中は、バレンタインデーだ。
バレンタインデーがワクワクドキドキの一日であったことが懐かしい。キラキラしていた様に思え、懐かしいけれど、その時に戻りたいかと言われたら、そうでもない。キラキラしていたけれど、それなりの大変さがあった。
今は、今の、過去のキラキラとは違う輝く時間があると思う。これが年を重ねるということなのだろうかと思ったりもする。
世界のバレンタイン事情について、ちょっとだけ。
朝、子どもたちに、「あ、今日はバレンタインデーだ!忘れてた!」と言ったら、「そりゃあ大変!」と、それぞれに何かを作り始めた。
我が家での、「バレンタインデー」の位置づけは、「自分の好きな人に贈り物をする日」である。
なぜ、子どもたちが、そう思っているかと言うと、夫が毎年、「バレンタインデーは、男性が女性に贈り物をする日だよ。」と話しているからだ。
子どもたちは、男性から女性に、というよりも、「自分の好きな人に贈り物をする日」だと認識しているようである。それで、「今日だったの?!」とあたふたと何やら作業を始めたのだ。
夫は、生粋の日本人だが、イタリア人のようなところがある。女性を褒める。まったく恥ずかしがらずに褒める。まだ付き合い始めて間もない頃は、慣れずに、恥ずかしかったが、今は、ありがたく思っている。私の女友達のことも褒めるので、「イタリア人みたい❤」と喜ばれている。何よりである。
二男と末娘は、バレンタイン・カードをせっせと作っていた。
家族一人ひとりに1枚づつ。
夫は、クリスピーな物が好きなので、みんなで玄米粉のクッキーを作ることにした。長男が慣れた手つきで動いてくれる。
材料は、自家製粉した玄米粉・ココナツオイル・メープルシロップ・塩・アーモンドプードル・カカオパウダー。簡単グルテンフリークッキーだ。私はおおまかな準備と片付け、オーブンの管理のみで、あとは子どもたちだけでクッキーを作っていく。
子どもたちのクッキー作りは、自由極まりない。
形作りにも何の縛りもない。最初は、型抜きもするのだが、それでは飽き足らず、自分たちで形を作る。重ねたり、カカオ生地とプレーン生地を混ぜたりもする。
クッキーを作りは、粘土細工の延長だと思う。粘土みたいなのに、焼いて食べられるなんて、最高だろう。大人の思うクッキー作りとは遠いかもしれないが、楽しい。
きちんとしない、楽しさが、そこにある。
〈きちんと〉しなくても、クッキーは無事に焼き上がり、美味しい。
ちょっと固くても、やけ具合が均一でなくても、満足。
夫の帰宅を心待ちにしながら、「美味しい!」「この感じもいいね♪」「次は、こういうの作りたいな~」と、次々にクッキーをつまむ子どもたち。
「お父さん、クッキー大好きだもんね!」
クッキーを頬張る子どもたちの嬉しそうな顔を眺めながら、静かに願う。
・・・夫の口にクッキーが入りますように。
日本のバレンタインデーのはじまりがチョコレートを広告することだったとしても、それをきっかけにして、自分の大切な人に、贈り物をし、何かしらの気持ちを伝えるのは、悪くない。
贈り物をしようとする時、自分に大切な人がいることを改めて感じることができる。
その存在に感謝する日なのかもしれない。
ハッピーバレンタイン!