濱地健三郎の呪える事件簿 有栖川有栖 読書感想
シリーズ三冊目
心霊探偵濱地の事務所は大々的に宣伝はないが心霊に関する悩みを持つ人が相談にやって来る
この世界にもコロナの波がやって来てという短編
濱地シリーズ最新作だと思ったらこちらもコロナの世界とリンクしてびっくり
心霊ものにはその手のものは無縁だと何故か思い込んでいたけれど、疫病が流行った世界でどう相談に乗るのか そこらが現実的に手続きを進めているのが面白かった
作中にもあるようにコロナが流行っているから心霊現象が無くなるわけではないというのがなるほどと思った
これまで会社にいた時間がリモートが始まりずっと家にいることにより、一人しかいないはずなのに別の部屋から音が、とか過敏に反応する可能性もないとはいえない
リモートで出現する霊、首無し死体の霊が手を振る理由、こんな状態だからあえて都会から離れて部屋を借りる人、キャンプ場に出る霊などなど。
コロナ禍での心霊事情(?)にかなり合っている内容
一番好きなのは「囚われて」
色んな霊能者に声を掛けられてただでいいからとお守りを渡される残間
鈍感過ぎて笑えてしまう
心霊に影響されてやつれている人がいる中で逞し過ぎる
鈍感力って最強かもしれない
今作でも年齢不詳なままの濱地探偵
意外にもカジュアルな服装を持っていることでますます謎が深まった