夫の骨 矢樹純 読書感想
きっとこうに違いないという思い込みをひっくり返してくれる短編集
どれも面白かった
夫の骨
同居していた姑が痴呆になりホームに入ってから亡くなり、その後夫は山の事故で亡くなり庭の片づけをしていたら箱に入った子供の骨らしきものを見付けてしまう。
姑は再婚で舅がいない間に一体誰との子を…?
そういう方向に想像するのはしかたないと思う
朽ちない花
強気の姉に押されて大学を辞めさせられて母の介護をさせられた後姉の家に厄介になっている妹 なんでもかんでも姉に言い汲められてもどかしくなる。
ドキドキしながら読んだ。意外と土壇場では強い。
柔らかな背
おれおれ詐欺に引っかかっている状態で進む
娘に知られたら文句言われるんだろうなと思ったら、あっちもこっちもとんでもないことになっていた
ひずんだ鏡
一番後味が悪い話だった 性格の悪い身内って嫌
絵馬の赦し
娘の受験の為に夫の浮気相手と清算する為に、もしかして愛人を殺してしまう?と思って読むと。
良いお話だった
虚ろな檻
DV夫から逃げて友人の好意で別荘の管理人になったが隣の別荘に唸る犬がやって来てもしかして狂犬病じゃないかと疑う
一番好きかも。犬がいるから。
鼠の家
行方不明になった妹 家を片付け続ける母
不穏だったがハッピーエンドでほっとする
ダムの底
父の深い愛 これもミスリードに騙された
父のためにもダムが全てを飲み込んでほしい