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1枚のイメージのための15000字 - ロベルト・ボラーニョ「雪」(『[改訳]通話』収録)ブック・レビュー
知ってるとは思うが、朝の四時のモスクワの通りはとても安全とは言えない。外はまるで、パヴロフが電話をかけてきたときに見ていた悪夢の続きみたいだった。辺り一面の雪で、たぶん気温は零下十度か十五度だっただろう、しばらくの間、俺以外には人っ子一人見当たらなかった。
引用文献:ロベルト・ボラーニョ著、松本健二訳「雪」(『[改訳]通話』白水社、2014年、P.110)
この「俺」とは、ロベルト・ボラーニョ