B2B SaaSの新・経営論
こんにちは。金森です。先日、FORCAS社主催の『急成長SaaS企業の「リアル」経営ストーリー』というイベントに行ってきました。
今回は、そのイベントのセッションの1つである『B2B SaaSの新・経営論』のイベントレポートです。
※ 学生時代に書いた記事なので稚拙な表現があるかと思います。ご了承ください。
モデレーターの方は、UB Ventures岩澤氏(元SPEEDAアジア責任者)。パネリストの方は、ヤプリCEOの庵原氏、マルケト日本法人代表取締役の福田氏、FORCAS代表取締役の佐久間氏の三人です。
結論
・採用が重要
・インサイドセールスを導入していない企業は一度、インサイドセールスの導入を検討してみるべき
・資料請求ボタンの設置は意外にも重要
気になったこと1つ目:「日本法人立ち上げのリアル」
マーケティングオートメーションを提供するマルケトの日本法人にて第一号社員としてジョインした後、今はマルケトの代表取締役社長を務められている福田さんのお話。
「日本法人立ち上げは、どこから着手した?」という質問について
下記のように答えておられました。
下記は箇条書きメモ。
■ 前職のSalesforce時代のお話
①1990年代ASPが失敗していたため、「初期の頃、SalesforceはASPの変形版か??怪しい...。しかも、名前がセールスフォースドットコムだと?ドットコムバブルを想起させるな...。」という逆風があった。
②営業管理という文化が日本に当時なかった。
■ 現職のマルケト時代のお話
①MAツールへの注目が高まってくる
マルケトの時はマーケティングオートメーション(MA)が注目された時期であった。海外のメジャーなベンダーがMAツールを買収する流れがあり、メディアの関心も高かった。→マルケトという知名度のないMAをいかに人々に知られるようにするかという課題。上位2社に残らないとチャンスはないと思っていた。
②立ち上げ初期のマーケティング費用の使い方
あらゆるものが新規リード(簡単に言うと、見込み顧客)。いかにリードを増やすかだったので、最初はマーケ予算の大半をイベントのスポンサーとして使用した。これは大手ベンダーと同等くらいの存在だと思われるために。
③メディアの方と仲良くなった
メディアの方とランチとか会話をするようにした。記事にはならないが、買収などマーケティングオートメーションが話題になった時、自分に声がかかるような状態にした。結果的に、それがブランディングに寄与した。
(「〇〇に聞く。マーケティングオートメーションってなに??」みたいな感じだろう。)
④セールス&マーケティング立ち上げに関して
セールス&マーケティングの立ち上げで大事にしたことは少数精鋭でやること。一方で採用してはいけない方、それは「能力が無くて、動きが早い人」。サービスの重要なことを伝えきれないと言うリスクがある。
⑤採用で気をつけていたこと
自社サービスのマルケトというサービスを好きであるかどうか。これはどの面接でも聞くこと。採用しないようにしているのは、なんでも売れる屋(布団でもなんでも売れますよ!みたいなタイプ)。業界に関しては、ITが多かったがそれには拘りはなかった。
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気になったこと2つ目:「インサイドセールスの効果」
プログラミング不要のアプリ開発サービス「Yappli」を提供するヤプリ。導入企業は250社数ほど。アパレルを中心に小売りメーカー系などに導入されている。最近では青山学院大学が利用したり、社内向けのアプリを作成するために導入されているなどのケースがあるそう。
初めの頃は、「電話しまくるのってなんかダサいな...。」というマインドがあったそう。インサイドセールスを採用してからは、商談数も、受注数も激増したそう。ものすごい効果ですね。
マーケティング担当を採用した時にもこんな効果があったそう。
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気になったこと3つ目:分業して最適配置
ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の実践を強力にサポートするクラウドサービスを提供するFORCAS代表の佐久間さんのお話。
下記は箇条書きメモ。
■ SPEEDA時代
①営業に関して
共同創業者の新野氏が営業の神様みたいな感じで、SPEEDAの未来/ビジョンをめちゃくちゃ語る方だった。その結果、販売チャネルとしてはお客さんの紹介が多かった。新規顧客が欲しいなら既存顧客に行くみたいになった。
②マーケティング専門社員を置いてから
マーケティング専門の正社員が入ったのは2015年くらい。リードは約三倍に。
③インサイドセールスを採用してから
2016年、インサイドセールスを採用してから商談数は一年で5倍に。
分業して最適配置したのがよかった。
④採用について
マルケトの福田さんが仰っていた「少数精鋭」と言う点にとても共感する。信頼できる人を採用すること。中途半端な時期にオペレーション化しない、その人に経験を積んでもらって、経験を集中させて属人化させる方がいい。その人が飽きたらオペレーション化をすればいい。
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気になったこと4つ目:リード数をもって市場感を知る
「拡大期のリアル」と言うお題について。
ヤプリの庵原さんがこんなことを仰っていました。
「市場感を最大かつ最速に知れるのはリード数。」
スケールするプロダクトなのかどうかも、そもそも人々に求めらているプロダクトなのかどうか測るためにもリード数は大事なんだとか。
ちなみに、自社イベントをやると1日で100人くれば、すなわち100リード取れることになるのでオススメだそうです。
自社イベントの他にも、量を取れると言う意味では、展示会で資料と共に「じゃがりこ」を配ると言うのもインパクトのあった施策だったそう。
食品工場の生産性向上SaaS 『KAMINASHI』を提供するUlyssesさんも、ヤプリのじゃがりこ施策をみならって、展示会でじゃがりこを1200個ほど用意したんだとか。やっぱりインパクトがあったそう。
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気になったこと5つ目:実態以上に高すぎるバリュエーションではないか?
昨今、SaaS系企業のIPOは増えています。
一方で、SaaS系企業の資金調達案件も増加しています。
そんな活況を呈するSaaS業界に、ある種の警笛を鳴らすかのように、マルケトの福田さんが下記のようなことを仰っていました。(ツイート参照。)
以上です。