「作る・売る立場」から「使う・買う立場」へ
日本の暮らしは貧しい。
その事実こそが、『21世紀のチェーンストア』にて渥美さんの言いたいことの核であった。(と感じた)
大学時代を東京で過ごした20代の女子としては、現状の暮らしに満足しているはずだった。
買い物行く場所はたくさんあるし、なんならネットでも買えるし、バイト代貯めてちょっとニッチなブランド品でも買うのが夢だったりもして、「キラキラした暮らしぶり!」だと思っていた。
しかし、渥美さんは、「ちょいちょい待て待て、よー考えてみー」と言ってきたのである。
この本によると、
「これは、多用途で、使いやすいです!」「他にはないデザインです!」と売り込まれている「日用品」は、買い揃えてみると「互いに全くコーディネートされない」のだという。
確かに。
バイト代貯めて買ってみたミナペルホネンのカバンは、ユニクロのTシャツ・ジーパンで、大学に通う日常にはTPO的にも、合っていなかった。
ミナペルホネンのカバンが、その魅力を発揮するのはどのTPOなのか。分からないまま、タンスの肥やしになることが確定していた。
家を「ナチュラルスタイル」にしたい!と思って新生活に備えても、簡単に「異質な日用品」は混ざってきた。
ネットで安いのを探して買ってみたら、なんかちょっとずつ木部の色が違うダイニングテーブルと椅子、ベッドフレームが揃った。(全部同じとこで揃えようとしたら、どうなるのか)(そもそもあまり、シリーズ品として売ってくれてない)
100均で急遽買い足した日用品は、無難な白を選ばない限り、なんか合わない。(ホッチキスとか、なんでオレンジ?みたいなやつある)
なんなら白でも合わない。(ニトリと無印良品とダイソーの白は違う)(アンミカが白は200色あるって言ってたし)
じゃあ全部無印良品で買えばいいかと言うと、家具も家電もわりかし高いし、扱う種類が少ない。
安いダイソーに家具や家電は売ってない。
渥美さんは、今の日本は「作る・売る立場」からしか、商品が考えられてないと言う。
なるほど、確かに。
小さな雑貨屋でも、大きな家具屋でも、「本気で暮らしを良くしよう」としてるのか。
むしろ、私たち消費者を「どれがいいかわからない」「コーディネートなんてできない」と路頭に迷わせているのではないか。
「おすすめ収納術紹介!」とかじゃなくて、「普通」の暮らし、心地よい「普段使いのもの」が、簡単に手に入る世の中にしてほしい。
それこそが、そういう企業の社会貢献だなぁと、ちょっと考えさせられたのです。
IKEAで買った青のワゴン、ソファの青と微妙にずれてて、違和感だな、、、と感じた午後でした。