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大切に

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#コラム

かわいい人にかわいいと言うのは、僕としては結構ありえない

かわいい人にかわいいと言うのは、僕としては結構ありえない

(このエッセイは微妙にではありますが前回のエッセイと繋がっています)

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 移動教室の夜は、どうして好きな人の話になるんだろう。
 中2のときもそうだった。僕は口を割らなかったが、2つ隣の布団で寝ていた同級生は僕と同じ人を好きだと言った。彼は騒がしくもなければ静かでもない、嫌われてはいないがモテてもいない、つまりは普通の中学生だった。
 会話はヒソヒソと続き、就寝時間を軽くすぎた頃、

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上階の住民の騒音をサンバカーニバルにするためにタンバリンを買った話

上階の住民の騒音をサンバカーニバルにするためにタンバリンを買った話

今の部屋に引っ越してきて3ヶ月。
最初はたまたまかな、と思っていたものが徐々に疑念を生み、そして確信に変わるのに2週間はかからなかった。

ドンドン!!!ドンドドドンドン!!

(おっ今日も始まったな。上の階の人は一体毎日なにやってんだろうな。)
夜23時ごろから午前1時頃まで上階の住民がとにかく床を打ち鳴らして暴れ始めるんですよね。

正直騒音に対してはかなり寛容なので夜中に騒いでいようが床を打

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いつか宇宙の藻屑になることを夢見ていた。

いつか宇宙の藻屑になることを夢見ていた。

「宇宙の藻屑になりたい。」

そうつぶやくと、親しい人たちはきまって、何言ってるの、と笑う。
ははは、いや、本当に、と言っても、ほとんど本気にしてもらえない。

でもそれでいい。この感情はやはり、わたしだけの特別なものなのだと再認識し、そのたび、胸の中には静かな海が広がる。

幼い頃から漠然と、宇宙や星というものに心惹かれていた。

中学の天体の授業は苦手だったし、天文部に入っていたわけでもない。

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