書店の楽しみ方
Twitterを見ているとある1つのツイートが目に入った。
大学生の頃からよく立ち寄っていた書店が閉店していた。いつ行っても人がたくさんいたので盛況していると思っていたから驚いた。
この書店は好きな人と待ち合わせをしたり、飲み会をする時の集合場所にしていたりしたのでとても思い出深い場所だ。個人的にもよく本を買いに行っていたので閉店したと聞いて寂しかった。
電子書籍が発売され、書店に立ち寄らずとも本が購入出来るようになった現在、書店の需要は減ってきているように感じる。維持費もかかるから、書店に顧客が来ないとそこに存在する必要がないからだ。それで止むなく閉店する事は当たり前だし、大事な考え方である。だから、書店が好きだからと言って、
「なぜ書店を閉店したんだ!」
と叫びながらデモを起こす気もない。怠いし。
僕が言いたいのは「寂しい」という事だけだ。
なぜ僕が書店を好きなのか。それは書店の空間を楽しんでいるからだと思う。
電子書籍は、購入方法が簡単で24時間いつでも手軽に、場合によっては書店よりも安く購入することができる。また、AIが発達した現代では、購入者の履歴を基に好きそうな本をオススメしてくれるので探す時間も省いてくれる。もの凄く便利だし僕もよく利用している。
でも、僕は書店に行って先ほど述べて事と逆の行動をしている。様々な本が並んでいる棚を端から端まで眺めたり、手に取って厚みを調べたり装丁のデザインを見て物語を想像したりしている。一目惚れした本があれば、購入して近くの喫茶店で読む。この流れを楽しんでいる。
本を購入するまで1〜2時間かかっている事もある。たまに1日を振り返った時に何をしているのだと思う時もあるけど、書店に入るとどうしても時間を忘れてしまう。感覚としては一種の美術館にいるかのよう。だから寂しいのだ。
本が好きな人もそうでない人も書店に行って楽しんでほしいと思う。本との出会いを、訪れた書店の空間を。