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オートガイネフィリアについて 〈当事者としての考えと葛藤⑩〉

前回の記事を自分で読み返し、
「オートガイネフィリア関係ないじゃん!」と自分でツッコんでしまいました。
でも自分ととことん向き合うのがnoteを始めた本来の目的です。最後にはちゃんとタイトルと繋げてみせます。

私の性的な葛藤の部分は省いてサクッと読みたい方は前回から読んでいただけるとわかりやすいかと思います。今回も仕事100%の記事です。

終わりの始まり 〜本社からのテコ入れ〜
部長からの指示で私の店のテコ入れに来たのは、元上司の男性管理職でした。そうです私の10年前のうつを発症させた2人のうちの1人です。
私はこの方とは異動後も表面上は上手くやっていました。社内で敵は絶対に作らない主義だったので。
会議で会えば話しかけてくれるし、この上司なりに私のことを気にかけてくれてはいたと思います。

でも苦手なものは苦手です。対面して話すと自分が何をしゃべっているのかも分からないくらいに緊張し、しどろもどろになった言葉尻をつつかれる…。私の弱点を理解し的確に突いてくる…。嫌な記憶が蘇りました。

この上司は3日かけて店のスタッフ全員と面談をして東京に帰っていきました。

その後も週2ペースで上司は東京からやってきました。「ありがたいです」という態度を取りながらも正直憂鬱でした。

あれからキッチン長に話しかけても「あなたとは話したくない」と面と向かって言われ業務連絡と挨拶のみの関係になっていました。

3週くらい経過した時に上司から、キッチン長/私/上司の三者でミーティングするから場所を押さえるよう指示が来ました。

キッチン長が私の正面に、上司が2人の中間の位置に三角形に位置して座りました。
そして上司が1枚のA4用紙を私とキッチン長に配りました。スタッフ面談で出た意見をまとめたものでした。

その内容のこの上ない驚愕なこと、まるで太い丸太が高速でぶつかってきたような衝撃でした。

・店長はキッチン長と仲良くしてほしい
・店長は『元気ですアピール』が痛々しい
・店長はすぐに慌てる
・店長は危機管理能力が低い
等々、あとは記憶にございません。

もちろんキッチン長に対する不満もたくさん書いてありましたが、“私に対してこんなにみんな不満があったんだ”とその時初めて気づいたのでした。

最初の「キッチン長と仲良くしてほしい」は分かります。迷惑かけてすみませんって感じです。

何ですか!?『元気ですアピールが痛々しい』って。
いまだに納得いきません。まさか一生懸命働いていてこんなことを言われるとは。

私はこの紙を凝視して頭が真っ白になりました。
そしてミーティングという名の悪夢が始まったのです。

悪夢のミーティング
「これがスタッフ個々との面談で出てきた意見の上位の抜粋です」上司がそう言って始めました。

“待て待て他にもまだあるの?”
“てか『元気ですアピール』が2位ってなに?”

と思うが早いか遅いか、
「これについて何か思うことはありますか?」と続ける上司。

私は頭真っ白で失語症になったように何も言葉が出てきません。

キッチン長が先に喋り出しました。
「店のみんなの前で店長に侮辱された。あんなこと俺に言ってきたのはキミが初めてだよ。絶対に許さない。」

心臓を鷲掴みにされたような恐怖を覚えました。
たしかにキッチン長とケンカした時、はずみで
『あなたのそういうところがストレスなんですよ!』
と言ってしまいました。言ったあとすぐに謝罪しました。
まさかここまで根に持っているとは思わなかったです。認識の相違です。

続けてキッチン長は
「何年か前から、店長は何考えてるか分からないと不審に思っていた。笑顔で近づきながら腹では違うこと考えている」
「俺のことを『管理職失格だ』と言っていると聞いた」と言いました。

“えーと…
その話、誰から聞きました?”

あれは数年前、私はキッチンの若い女の子がピアスをつけて仕事しているのを見つけたのでした。
異物混入の原因になるからピアスは禁止です。
キッチン長から注意して欲しいと、こっそり伝えに行きました。
キッチン長「注意したら辞めちゃうじゃん」
“は?”
私「じゃあ辞めたら私がキッチン入りますよ」
キッチン長「へぇー、店長がキッチン入ってくれるんだって〜」(とキッチンの若手にふざけて言う)
“はぁ!!???”  “ここでキレちゃだめだ”  
私「では私から注意しますよ」
キッチン長「じゃ、おねがいします」
私はあまりのキッチン長の無責任さに憤り、部長に電話で報告したのでした。「〜ということがありまして、キッチン長は管理職としてどうかと思います」と。

しかし部長が軽はずみにそんなことをキッチン長の耳に入れるなんて流石に考えられない。部長はそのくらいの信頼は置ける人物です。

だだし、そんな軽はずみな発言をしそうな人物に一人だけ心当たりがありました。
総コック長、陰での通称『あなごさん』。
人望がないけど、年功序列でキッチンのトップに立ってしまい、見るからに空回りして苦労している方です。誰も求めていない言動をいつも取ってしまう悲しき総コック長『あなごさん』…

恐らく部長は『あなごさん』に、事実関係の確認をするようにと指示したのでしょう。
しかし私は『あなごさん』からその一件で何かを聞かれたことも面談を受けたこともありません。

私が「ピアス事件のこと部長に報連相したけど、何も動きがないな」と思って忘れていた裏でまさかそんなことになっていたとは。しかも私、キッチン長のこと『管理職失格』とまでは言ってないんですけど…誇張されてる

完全に会社に裏切られたと思いました。

完全降参な私
ひと通りキッチン長の言い分が述べられ、私のターンとなりましたが、もう戦意喪失です。
①スタッフたちにも不満を抱かれ、
②キッチン長には絶対に許さないと言われ、
③会社には裏切られ、
何も信じられない、何も言葉が出てこないのです。スリーアウトでノックアウトです。
哀しい、胸が苦しい、頭がおかしくなりそうだ、
負の感情の津波に飲まれて息も出来ない。

大した反論も出来なかったと思います。

あ、ひとつだけ思い出しました。
「キッチン長には許してもらえないのは仕方ないことをしてしまったとは思いますが、」と話しだしたら上司が『許してもらえなくてもしょうがない、はおかしいんじゃないのか?許してほしいからそういう言い方をしてるんだろ?』と速攻で芯をついた否定をされました。

もう自分は何を言ったら正解なのか…誰か助けて…
助けてくれる人なんて誰もいない…私は一人だ…
という思いしか後の記憶がないです。

「臨機応変」が苦手な私です。経験したこと以外はうまく切り抜けられないんです。
だから今までの会社員生活で出来るだけたくさんの引き出しを持てるよう努力してきたのですが…

私が大したことも言えないまま、上司は先に進めました。
「会社はあなたたち2人をこのままこの店の責任者として据え置こうと考えています」
「ですが2人がこのままの関係では困ります、協力して店の運営をしてもらいたい」
「やりますか?やりませんか?」

“これ「やる」って答えるまで帰れませんパターンだ”
私は完全降参して「やります」といいました。
部長との面談で啖呵を切ってしまってましたし。
自分の言葉の責任を取らなければなりません。

キッチン長はうだうだゴネていましたが、上司に「できるできないではなく、やるかやらないかです」とか言われて渋々やると言っていました。

かくしてミーティングは終わりました。


あの日の感情が久しぶりに洪水のように溢れ出し、どうしても文章を削れませんでした。
文章のボリュームはもっと抑えてテンポよく読みやすい記事にしたかったのですが…
しかし、自分の感情の最大の山場としっかりと向き合えました。途中つらくなって書いては寝っ転がりを繰り返したけど何とかここまで書けました。

今回で全部終わらなくてすみません。
この続きは早めに上げたいと思います。
次も読んでいただけたら嬉しいです。

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