【最新版】タイパ就活時代が到来!? 24卒採用の総括と25卒採用に見られる変化とは?
こんにちは!「すごい人事(※)」情報局のsayuです。
「活躍が期待できそうな良い人材を採用したいけど、学生さんからの応募がなかなか増えない」「工夫して情報を発信しているけどターゲットとなる学生さんと出会えない」「最近の学生さんの本音が分からない」など、新卒採用における企業の情報発信や母集団形成に悩まれたことはありませんか?
今回は、新卒採用市場の調査データを用いながら24卒の企業選びのポイントや24卒と25卒の違いなどをまとめながら、人事採用支援と学生支援の両視点から学生さんのリアルな現状や本音をお伝えしたいと思います。
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24卒の内定状況と企業選びのポイント
24卒が一段落し、25卒や26卒に向け動き出している新卒採用担当者さんも多いと思います。様々な調査結果やデータを活用しながら採用戦略を立てて行く中で、実際にどのデータを参考にすれば良いか気になる採用担当者さんもいるのではないでしょうか。
複数の大手メディアが提供している採用市況データに加え、私自身が携わっている新卒採用プロジェクトのなかでの、大学関係者へのヒアリングや学生支援で相談を受けた学生さんからの声などを交えながら24卒の内定状況と企業選びのポイントをまとめました。
最新の調査データから見る24卒の内定状況
まず、24卒の「内定率」について、大手ナビ媒体2社と、厚生労働省のデータを参照し、世の中の傾向とそれぞれのデータの特徴について調べてみました。
マイナビ社の『2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)』によると、内定率は10月時点で86.0%となり、22卒や23卒と比較し若干ポイントが下がっていますが、高い水準であることが分かります。
また、就職みらい研究所(リクルート社)の『就職プロセス調査(2024年卒)「2023年10月1日時点 内定状況」』によると、92.0%が内定を保有しているという結果になっています。こちらの調査でも23卒より若干ポイントは下がっていますが、高い水準であることが分かります。
これらの調査結果は、マイナビを活用している学生さんがメールやWEBフォームから回答したものや、リクナビを活用している学生さんの中からモニターに登録した学生さんによる回答であるため、比較的活発に就活してきた学生さんの数値であり、内定率も高めに出ていることが予想できます。
実際にそれが分かるのが、11月に文部科学省と厚生労働省が発表した『2024年春に卒業を予定する大学生の10月1日時点の就職内定率』です。国公立や私立大学62校が対象となっている当調査によると10月1日時点での内定率は74.8%で、マイナビやリクルートの調査と10ポイント以上の差があります。
また、私が実際に学生支援で関わっている大学や繋がりのある大学の関係者にお話を伺うと、大学が把握している10月時点での内定率は70~80%でした。
このようなデータや情報を総合的に見てみると、当たり前かもしれませんが、文部科学省と厚生労働省が発表する内定率が一番実際の数字と近いのかもしれません。ぜひ内定率を見る時の参考にしてみてください。
調査データから見る24卒の企業選びのポイント
マイナビ社の『2024年卒大学生就職意識調査』を見てみると「楽しくはたらきたい」と感じている学生さんが38.9%と「個人の生活と仕事を両立させたい」、「人のためになる仕事をしたい」を抑え1位であり、リーマンショックや新型コロナウイルス流行時などと比較しても、一番高くなっています。
ディスコ社の『24卒学生の1月1日時点の就職意識調査 ~キャリタス就活2024 学生モニター調査(2023年1月)』では、就職先企業を選ぶ際に重視する点で、23卒よりも「給与・待遇が良い」が0.8ポイント高まり、「福利厚生が充実している」は3.6ポイント、さらに「休日・休暇が多い」は8.2ポイント、「職場の雰囲気が良い」は7.3ポイントも高くなっています。
一方で、全体の2位である「将来性がある」は44.1%と半数近い学生さんが重視しているものの、23卒より1.4ポイント低くなっています。
また、「大企業である」については12.6ポイントも低く、「業績・財務状況が良い」は2.8ポイント、「業界内の順位が高い」は5.2ポイント低くなっています。
企業の大きさや安定性より、働く環境を重視する学生さんが増えていることが24卒の特徴だと言えるのではないでしょうか。
面接では「社会に貢献したい」や「人のためになる仕事がしたい」と熱い想いをアピールされる学生さんもいますが、私が受けている学生支援プロジェクトで相談を受けた24卒の学生さんからの声として多いと感じたことは「残業時間の少なさ」「休日の多さ」「給与の高さ」「転勤がない(勤務先が選べる)」です。特に環境を重視する傾向は、やりたいことがまだ明確ではない学生さんに多いように感じています。また、4年生の秋冬に相談に来る学生さんもいますが、遅く来る学生さんほど、条件重視の傾向が高いと感じています。
25卒の学生さんの動き
新型コロナの影響が大きかった24卒と、新型コロナの影響が比較的少ない25卒では、就活の動きにどのような違いがあるのでしょうか。
25卒から三省合意によるインターンシップのルール変更により、条件を満たせば企業側が採用直結型のインターンシップを実施できることが学生さんの動きにも影響が出てきているのでしょうか。
複数の調査データから見える24卒と25卒の違いと、学生支援現場で実際に感じている違いについてまとめてみました。
調査データから見る24卒と25卒の違い
マイナビ社の『2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)』を見てみると、25卒の学生さんでインターンシップに参加した割合が89.5%と約9割に上っています。24卒と比較し1.9ポイント高くなり、平均参加企業数も6社と24卒より0.3社増えているのが分かります。
ディスコ社の『9 月後半時点の就職意識調査 キャリタス就活 学生モニター2025 調査結果(2023年10月)』を見てみると、インターンシップ等に参加した時期が24卒学生よりも早期化し、5月と6月に参加する学生さんが増えていることが分かります。
また、同調査の就活準備イベントへの参加に関する項目では、「会場型に参加したい」と回答した学生さんが24卒より25.3ポイント高く約8割に上っていることが分かります。
新型コロナの影響を受けることが少なくなったことや、インターンシップのルールが変更になったことにより、25卒の学生さんの動きが早くなり、そして対面参加への意欲も高まっているようです。
学生さんと面談していても「オンラインだけでは雰囲気が分かりにくい」や「色んな企業の話を聞きたいので対面の説明会に参加したい」という声を聞くことがあります。
コロナ禍でオンライン形式のインターンシップをメインにされた企業も多いかと思いますが、今後は対面実施の割合を増やしたり、オンラインで発信する情報を工夫したりするなどの検討をしてはいかがでしょうか。
学生支援現場で感じる24卒の違い
まず感じることは、二極化ではなく三極化です。今までは、「動き出しが早い学生」と「動き出しが遅い学生」の二極化でしたが、25卒の支援をしていて感じることは、「動き出しは早いが一度動きが止まる学生」が増えてきたということです。
先輩たちの話を聞いたり周囲の動きを見てたりしてインターンシップに参加してみたものの、次に何をすれば良いか分からない学生さんや、参加した後もやりたいことが見つからなかった25卒の学生さんが10月や11月に再度相談に来るケースがあります。
特に、インターンシップで半日や1日のプログラムに参加した学生さんが相談に来ることが多く、「興味関心のある仕事があまり見つかりませんでした。この後どうしたらいいですか?」や「企業理解は深まったが、具体的な仕事を理解することができなかった。どうしたらもっと具体的な仕事内容を知ることができますか?」など、インターンシップに消化不良さを感じる学生さんが増えているように感じます。
また、インターンシップに参加した企業から早期選考の案内をもらっても、準備不足のため選考を受けるべきか悩む学生さんもいます。「こんなに早く選考案内が来るとは思わなかった」や「説明を聞いたばかりなのに来週までにエントリーシートを出さないといけない」とスピードについていけない学生さんから相談を受けることもあります。
マイナビ社の『2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)』によると、3年生以降に5日以上の長期プログラムに参加した学生さんは約2割で、半数以上は半日や1日のプログラムに参加していることが分かります。
長期プログラムに参加することで企業理解や自己分析が進むことが期待できますが、半日や1日の短期プログラムでは企業理解や自己分析が不十分であることも考えられます。
短期プログラムに参加した学生さんへ早期選考を案内するだけでなく、追加で説明会を開催したり、先輩社員との交流会を設けたりするなど、選考前に考える時間を作ってあげることも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?24卒の内定状況や企業選びのポイントをまとめながら、24卒と25卒の違いについても触れてきましたが、今後の採用計画や母集団形成の参考になりましたでしょうか?
次回は、Z世代の学生さんの本音やタイパ就活時代に学生さんに届く情報発信についてお伝えしたいと思いますので、また読んでいただけますと幸いです。
最後に、Crepeの「すごい人事パートナー」には、キャリアコンサルタント資格保持者や人事経験者が多数在籍しております。新卒採用の計画、選考などお悩みの際は、まずお気軽にご相談ください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。