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三枚噺~新田一郎『新田一郎・一番/クールが熱い』、堀江美都子『Ready MADONNA』&Lady Oh!『Lady Oh! FIRST』編

 皆さま、お待たせしました。誰も待っていなかったかもしれませんが。。
予告だけしていた新田一郎さん『新田一郎・一番/クールが熱い』と堀江美都子さん『Ready MADONNA』にLady Oh!『Lady Oh! FIRST』の三枚について書くのがようやく実現したというわけです。

 3月26日の記事ってことは半年ぐらい前ですね。。我ながらしぶとい。
今月に入ってLady Oh!のCDを入手することがようやくできまして、三枚噺という形で書くことができるようになったわけです。。
相変わらず前置きが長くなってきたので、行ってみよー。

・新田一郎『新田一郎・一番/クールが熱い』(NCS-10005/ビクター・タワーレコード)

 このアルバムはスペクトラム解散後、新田さんのファースト・ソロ・アルバムとして発売された作品です。
スペクトラムの宣伝担当だった川原伸司さんが制作を担当したアルバムで、マライアのリズム・セクション、つまりギターに土方隆行さん、ベースに渡辺モリオさん、ドラムスに山木秀夫さん、そしてキーボードに難波弘之さんとパーカッションにペッカーさんが参加しています。
ホーンにはホーン・スペクトラム(!)名義でトランペットに新田さん、兼崎順一さん、テナーサックスに金城寛文さん、トロンボーンに早川隆章さんという顔ぶれが参加しているんですね。
スペクトラムの延長線上にあるホーン・セクションをフィーチャーしたナンバーが中心なのですが、ポール・マッカートニー狂で有名な川原さんのサジェスションなのか「Lady Madonna」のカヴァーが収録されています。
シングル・カットされたのは「サンライズ・サンセット」です。この曲はスタイル・カウンシル歌謡のはしりだと個人的に思っています。
細かいことを言うようですが、「サンライズ・サンセット」と「今夜はミステリー」のアルバム・ヴァージョンはイントロやアウトロに曲が被ってしまっているので、アルバムにはシングル・ヴァージョンも収録してほしかったですね。

・堀江美都子『Ready MADONNA』(COCC-6510/コロムビア)

 このアルバムは新田一郎さんプロデュース作品ですね。
シングル・カットされたのは「茅ヶ崎メモリー」。これは新田さんの「サンライズ・サンセット」とはタイトルが違いますが、同じ曲です。
アルバムとはヴァージョン違いで、一番の違いはサビ前のコーラスが新田さん単独のアルバム・ヴァージョンと、女性コーラスが参加しているのがシングル・ヴァージョンです。
新田さんのアルバムとは「今夜はミステリー」が重複していますね。
他に楽曲を提供している顔ぶれとして、原由子さん、井上大輔さん、あさみあきおさん、斎藤誠さん、惣領泰則さんが挙げられます。

 堀江さんのオリジナル・アルバム(この場合アニメ・ソングではないという意味です)としては3枚目でして、ジャケットや歌詞カードの堀江さんの写真もこれまでとは印象がかなり違っています(そして、これ以降のアルバムとも)。
そして、歌い方も明らかに変えていて、優等生的イメージの中にあったこれまでとはちょっと違いますね。
なので、ライヴでシャウトしたりすることが、このアルバムの収録曲では増えています。
このアルバムは10年以上前にオリジナル・アルバムをボックス化した時以降はリマスタリングされていませんし、ボーナス・トラックが収録されて再発されたこともありません。

 堀江さんのオリジナル・アルバムがその辺の観点から再発されていないことは本当に残念です。
フィジカル文化が残っているうちになんとかならないものかと願っています。

・Lady Oh!『Lady Oh! FIRST』(PCCS-00067/ポニーキャニオン)

 実はこのアルバムのプロデュースは新田一郎さんではないんですよね。
そのことを知った時点で三枚噺の意味は少し薄れてしまったように思いますが、CDにボーナス・トラックとして収録されたシングル「茅ヶ崎サンライズ」(アルバムには手を加えた「茅ヶ崎サンライズPart2」として収録)は新田さんのプロデュースなのでした。
ちなみに新田さんの「サンライズ・サンセット」、堀江さんの「茅ヶ崎メモリー」にラジオっ娘(Lady Oh!の旧グループ名)の「茅ヶ崎サンライズ」の3組でのキャンペーンが実現しています。

 ちなみにアルバム冒頭の「東京ジャズクラブ」は新田さんの『新田一郎・一番/クールが熱い』収録曲でもあり、編曲を鈴木慶一さん(!)が担当しています。

 そして、『新田一郎・一番/クールが熱い』と『Ready MADONNA』との違いはプロデューサーが新田一郎さんじゃないということとつながっていますが、編曲を後藤次利さんと鈴木慶一さんが担当していることですね。
このアルバムに楽曲を提供しているのは近田春夫さん、鈴木慶一さん、村田和人さん、佐野元春さん(既発曲「悲しきRadio」のカヴァー)といった顔ぶれで、かなり興味深いです。

 
 彼女たちはレコード会社を移籍して、佐野元春さんの「ナイトライフ」を発売する予定もあったと記憶してますが、諸々の事情で中止となった模様です。
メンバーの水島かおりさんは現在も女優(と脚本家~矢沢由美名義)として活動中。
西端弥生(やよい)さんはDJ、タレントで活躍した後、産休に入って以降活動せず。
高橋尚代(ラジオっ娘~Lady Oh!時代の芸名は高橋めぐみ)さんはニッポン放送のアナウンサーに。現在は青山学院大学地球共生学部空間情報クラスター教授に。(メンバーの方々の現在についてはWikipediaを参考にさせていただきました)

 こうして三枚を比較しながら聴いてみると、新しい発見がありますし、懐かしい気持ちにもなります。
付け加えますと、2016年にはギャランティーク和恵さんがシングル曲「茅ヶ崎メモリー」をカヴァーしています。

 こういった楽曲のカヴァーや競作はもっとあっていいですよね。
そのことによって色々なアーティストを知ることによって興味が広がれば、それこそ本当に素晴らしいことだと思うのです。

 長々とすみませんでした。またこうした形で取り上げることができたら、と思っています。

 ではまたー。

 



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