noteは「ネタ×文章力×宣伝」で決まる。読まれるnoteの書き方
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noteを初めて2年ほどが経ち、おかげさまでたくさんの人に読んでいただけるようになりました。今年からは定期購読マガジンも始め、こちらもおかげさまで順調に運営できております。
まだ書き手としては拙い部分ばかりで、本来は偉そうなことが言える立場ではないのですが、「読まれるnoteの書き方」的なものを一度は書いてみてもいいのかなと思い、やってみることにしました。
noteを書いている人の参考になれば幸いです。
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僕はnoteを書く際、読んで面白いと思ってもらえるものを書くため、またそれが広く読まれるための努力として、「ネタ」「文章力」「宣伝」という三つの要素を意識するようにしています。
それぞれについて解説していきたいと思います。
ネタ
ネタとは、文字通りnoteで取り上げる題材・テーマのことです。良いテーマを選べば、自然とたくさんの人に読まれます。……というだけでは何の説明にもなっていないので、もう少し解像度を上げてみたいと思います。
僕が思う「良いnoteのネタ」の選び方の基準は、「心が動いたかどうか」です。
田中泰延さんの「読みたいことを、書けばいい」では、世に溢れている文章のほとんどは「随筆」であるとしています。
ある事象があって、それに触れたことで生まれた心象、つまりそれに対して思ったことや考えたことを書くのが「随筆」です。そして、この「随筆」に興味を持ってもらうには、「事象の強度」が不可欠だといいます。
「六本木のスラムで古代コーカサス人のように暮らそうとしたOLの話」や「100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか」といった文章が爆発的に読まれるのは、それらの体験にとてつもない「強度」があり、書く者と読む者の心を動かす力を持っているからです。読まれるnoteを書くためには、まずこのような「強度のある事象」が必要です。
といっても、それは必ずしもワインを密造したり、ビスコを100日間買い続けるといった、衝撃的な出来事である必要はないと思います。心が動く出来事は、日常の中にもあります。
僕のnoteの題材は、中国での日々の生活で感じたことが中心です。「これって日本にはない考えで、面白いな」「これは日本に住んでいる人にとって、伝える価値がありそうだ」「中国に関するこの事象は、まだ言葉になってないんじゃないかな」ということを少しでも感じたら、それを書き留めるようにしています。
あとはその感覚が生じた理由について本を読んで調べたり、思考を深めていくことで自然とnoteのネタが出来上がります。
この考え方でネタを出して、よく読まれたnoteはこれです。中国で見聞きしたことを受けて、日本で仕事をする人に伝えるべきだと思ったことを素直に書いたら、たくさんの人に読んでもらうことができました。
僕はたまたま中国に住んでいるので、普通よりも「強度」のある出来事に出会う頻度は高いのかもしれませんが、きっとお読みの皆さんの生活の中にも「心が動く」出来事はたくさんあるはずです。
他の媒体やプラットフォームは分かりませんが、少なくともnoteで書くときにはこのような「自分の心が動いたかどうか」を優先してネタを選んだ方がいいでしょう。そのほうが書き手、読み手ともに価値のあるものが書けるはずですし、なによりnoteはそういう文章を歓迎しているプラットフォームであるように思います。
文章力
良いネタが見つかったら、次はそれを文章として形にしていく必要があります。そのための能力が「文章力」です。
ここでは「文章力」のパラメータを、「見やすさ」「読みやすさ」「エモさ」に分けて考えてみたいと思います。
見やすさ
「見やすさ」とは、文章をパッと見たときに視覚的なストレスがかからないことを指します。最後まで読者を離脱させない工夫として、この「見やすさ」はかなり重要です。
僕は文章を書きながら、一文の長さや段落の行数を調整したり、読点の入れ方を変えたり、ひらがなと漢字のバランスを整えたりといった作業を必ず行うようにしています。
このあたりのテクニックについては僕が講釈を垂れるより、安田峰俊さんの「みんなのユニバーサル文章術」を読むのがいいと思います。明日使える技術が満載なので、noteを書く人は一読して損はないです。
読みやすさ
次に、「読みやすさ」です。これは視覚的な「見やすさ」とはちょっと違う概念です。「読みやすさ」とは、一読して文章の言っている意味がわかるか、過不足なく言いたいことを伝えられているかという、内容的な精度のことです。
これを高めるためには、やはり自分を「読み手」に置いて、客観的に自分の文章を何度も読み返すことが必要かと思います。僕の場合はだいたい自分で読み返すと冗長になっている場合が多いので、書き上げた文章からいらない部分を削ぎ落とす作業を毎回しています。
そのほか、前提知識が必要な部分には注釈を入れることや、重要な情報を文章内できちんと提示できているか、「フリ」と「オチ」の関係が成立しているか、同じことを繰り返している部分はないか……などをチェックすれば、「読みやすさ」を高めることができると思います。
その意味で、うまく書けたのはこの記事です。たとえ話などを持ち出しながら、余計なことを書かず、「日本人と中国人の、予想される問題への対処の仕方の違い」というテーマを過不足なく伝えることができたと思います。
エモさ
これは書き続けてきて分かったことですが、ただ「わかりやすい」文章というだけでは、なかなか多くの人に読まれることはありません。文章の中で、どこかにそれが「心に残る」ような仕掛けがなければいけません。
そこで「エモさ」です。ここでいう「エモさ」とは、何かしら読み手の感情を刺激しにいくような要素のことです。
この「エモさ」は、一般的に言われる「エモい」、つまり相手を感動させたり泣かせたりするようなものに限りません。たとえばユーモアや寂寥感、やるせなさなど、感情を呼び起こすものはすべて「エモ」として捉えます。
そして、書きながら「この文章にはどういう「エモ」を足していくのがいいのかな」と考え、そのエッセンスを入れ込むことを意識しながら文章を作り上げていきます。
「見やすさ」「読みやすさ」が本体だとすれば、「エモさ」はそれにどういう服を着せるのか、どうメイクするのかという飾り付けの部分になるかと思います。
たとえばこれなんかは、これまでに見てきたことを羅列しながら、「差別への嫌悪感」とか「それに感じるどうしようもなさ」みたいなことを根底に入れて書いたつもりです。おそらく、読み手にもそれを感じてもらえるものになっていると思います。
こちらは最近書いた有料記事ですが、「危機感」みたいなものを感じてもらえるように書きました。
体験談なんかを書くときは、いっそ思い切って「エモさ」に振り切る時もあります。「ドキドキ感」や「初々しさ」みたいなものを、そのまま全開にして書いたつもりです(結果、だいぶ恥ずかしいことになっていますが)。
宣伝
良いネタを取り上げ、それを上手に文章にできたとしましょう。しかし、それだけでは文章が読まれることはありません。それを外に宣伝するための工夫が必要になります。
特にnoteはプラットフォーム内部で拡散するような仕組みがそれほど強くないため、自分でいかに宣伝するのかが大事になってきます。
とりあえず、Twitterは必須なんじゃないかと思います。とにかくnote以外の場所で知ってもらえる機会を作らないと、なかなか書いたものが人の目に触れるようになりません。Twitterであればもともと興味関心の近い人が集まりやすく、記事を読んでもらえたり、拡散してもらえる確率が上がるのではないかと思います。
Twitterで記事を宣伝する時のコツは、とにかく自信満々でやること、そして惜しげもなく何度も自分でリツイートすることです。
忙しい現代人には、知らない人の書いた文章を読む動機がありません。そんな中で自分にちょっとでも時間を割いてもらいたいのであれば、腰がひけた態度をとっている場合ではありません。相手のタイムラインに存在感を示すつもりで、「読んでください!」「損はさせません!」と堂々とアピールしましょう。
セルフリツイートも、ちょっと「やりすぎかな?」と思うくらいでいいと思います。みんな意外と自分のタイムラインを真剣に見ていませんし、SNSに触れる時間もさまざまです。時間帯を変えて記事を複数回リツイートする、くらいのことはしてもいいと思います。読んでくれた人が記事をシェアしてくれたら、それをリツイートするのも忘れないようにしたいです。
あと、これは宣伝とはちょっと違うかもしれませんが、「タイトルのつけ方」もなんやかんやで重要だと思います。キャッチーなタイトルでなければ、なかなか人は記事を開いて見てくれません。
基本的には記事の内容を簡潔に表すタイトルがいいと思うのですが、それ以外にも僕がテクニック的に心がけていることがあります。それは、あえて「ちょっとだけ変」なタイトルをつけることです。
インパクト重視、かつ「何だこれ?」と意識に引っかかるようなタイトルでとりあえずクリックしてもらう、という作戦です。ただ、そのままだと記事の内容が伝わらずに離脱されてしまうかもしれないので、リード文でしっかり「この記事は〇〇について書いたものですよ」ということを示すようもしましょう。
その試みがうまくいったのは、たとえば以下のような記事です。
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以上、ここまで書いた僕なりの「読まれるnoteを書くコツ」をまとめると、
……ということになります。どれか一つの要素でも、ご自身のnoteを書くのに参考にしてもらえればうれしいです。
もちろん僕自身、まだまだ頑張っていかなければいけない部分ばかりなので、これからも精進していくつもりです。まずはここで書いたことを改めて意識し、もっと面白いものを書いていこうと思っています。
noteを書いている皆さん、一緒に頑張っていきましょう。
それではまた。
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