サカキバラ・ケイ

デザイン&コンサルティングファーム「Studies Inc.」の代表をしていま…

サカキバラ・ケイ

デザイン&コンサルティングファーム「Studies Inc.」の代表をしています。 東京大学教育学部卒→博報堂でコピーライター/CMプランナー職と数ヶ月営業職→独立してフリーランス→2018年Studies創業。 http://www.studies.design/

最近の記事

【1万字】藤井風『青春病』の歌詞のヤバい仕掛けをコピーライターが考察する〜青春はどどめ色じゃなかった〜

コード進行、メロディーライン、歌声・・・藤井風の魅力を全部語るには次の新曲が出ちゃうくらい膨大な時間が必要ですが、中でも『青春病』の歌詞を丁寧に読み解いていくと、時間と空間を鮮やかに操るヤバい仕掛け、それによる深い深い伏線回収が見えてきました。コード進行や編曲、英語ver.の歌詞、過去の動画内での風さんの発言なども時折手がかりにしながら考察してみました。(※通説とは違う見解を示します) 1万字以上になってしまって、「長い」の域を超えて「キモい」の領域に達している説はあります

    • 大企業病の正体 〜中小企業もスタートアップも患うメカニズム〜

      WHOが天然痘の根絶を宣言したのは1980年のことでしたが、科学技術が遥かに発展した今もなお猛威を振るい続けている病理、それが大企業病です。コロナなんて比じゃありません。大企業での勤務、大企業や中小企業との取引、官公庁との取引、スタートアップの支援をしてきた身として明確に感じるのは、大企業病は必ずしも大企業だけが直面する病理ではなく、スタートアップさえも罹患しうるものだということです。 多くの企業にとって他人事ではない問題であるにも関わらず、撲滅される日が中々来ないのはなぜで

      • 【テンプレ付】これからの業務委託契約書の話をしよう

        みなさんは業務委託契約書を見てクライアントに惚れたことはありますか?え、無いんですか?僕はあります。反対に「はいはいはい、おたくやっぱそう来ますよねー」とゲンナリしたこともあります。 一見無機質で何の個性もクリエイティビティも無いように思える、業務委託契約書。日頃様々な業務委託契約書を結ぶ中で強く感じるのは、「契約書ってこうも個性が出るものか」というくらい、そのあり方は千差万別だということです。業務委託契約書を見るとその会社の世界観が分かると言っても過言ではありません。とにか

        • デザインを巡る疑念・怨念集:「UI/UXデザイナーって要はwebデザイナーだろ?」ほか

          デザイン界の池上彰とかいたらいいのになあ。と最近よく思います。それくらいデザインを巡るモヤモヤに出くわします。人から訊かれたりもします。僕デザイナーじゃないのに。でもメシアをただ待っていてもしょうがないので、自分で考えることにしました。 世の中で耳にする疑念・怨念のうちいくつかを以下に挙げていきますが、それに対するコメントの多くは僕個人の独自見解であって必ずしも社会的合意に沿った記述ではありません。なので「そういう考え方もあるよね」「わかるわかる」「えー?そうかなあ...」み

        【1万字】藤井風『青春病』の歌詞のヤバい仕掛けをコピーライターが考察する〜青春はどどめ色じゃなかった〜

          なぜデザイン思考はゴミみたいなアイデアを量産してしまうのか

          デザイン思考がもてはやされてしばらく経ちましたが、デザイン思考の成功例、何か思い出せますか?仮に思い浮かんだとしたら、その「成功例」は本当にデザイン思考によって生まれたものですか? 一応最初に断っておきますと、僕は「デザイン思考はゴミだ」と言っているわけではありません。デザイン思考(デザインシンキング)にも向き・不向きがあるのに、その特性を踏まえないまま変なバッターボックスに立たせた企業が大変シュールな状況に陥っていることを、普段デザインで事業成長を支援している身として危惧

          なぜデザイン思考はゴミみたいなアイデアを量産してしまうのか

          どうしたら普通の人がイノベーティブになれるのか

          T型フォード、ダイソンの掃除機、ブロックチェーン・・・。 世の中に輝かしいイノベーションの事例は多くあります。しかし、それらのアイデアのシャープさにいくら感嘆しても、自分自身がそうしたイノベーションを起こせるとは限りません。当たり前ですけど。イノベーティブになりたい!でもジョブズのような聡明さは自分には無いし...。まるでショウウィンドウの中の立派な帆船模型を羨ましそうに眺める、貧しい少年のような気分になったことがあるのは、きっと僕だけではないと思います。 そんな、イノベーシ

          どうしたら普通の人がイノベーティブになれるのか

          「デザイン」の起源について

          「デザインとは何か」という問いには、様々な人が答えを示していますが、少なくとも日本では、まだ一定の合意には至っていません。元々「デザイン」に当たる言葉を持っていない日本人にとっては、英語圏の人々とは違い、感覚的に理解するのは難しいものがあります。そこで、デザインの歴史を紐解くことから、デザインを理解してみようと思います。 デザイン自体の歴史はそれほど深くなく、19世紀半ばのイギリスがはじまりです。当時、産業革命の影響で多くの産業が急速に機械化し、職人の美しい手仕事や手作りの

          「デザイン」の起源について