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第4回 Instagram ハッシュタグ観測報告【タピオカ】篇

「タピオカ」というスイーツ系ドリンク。
2018年に空前のブームとなったこの「タピオカ」の勢いは今なおすさまじいものがあり、衰えるどころか今なお拡大の一途を辿っているようにも感じます。

そして、実はこのタピオカブーム、実は90年代にも一度訪れており、今のブームは「第2次」のブームとしてメディアでも紹介されていたりします。第1次のブームの時にはなかったSNS、特に「インスタ」の存在は大きく、企業側と「タピオカ」をうまく使っている生活者側との共犯関係の中でムーブメントが維持され続けているようにも思います。

タピオカ流行のピークは実は過ぎてしまっているのか、それともイマが頂点なのか、それとも少し先の未来なのか、ずっと先の未来なのか。そして、流行が収束した際に訪れるタピオカの未来は消滅なのか、定番化なのか。年度末ではありますが、私の頭の中の7割はタピオカに侵食されているといっても過言ではありません。

そこで、第5回目のInstagram観測においては、「タピオカ」に関するハッシュタグを観測してみました。下記に記載のデータについてはすべて同日に観測を行っています。(観測日:2019年3月4日)

まず初めに、70年代にブームとなり今なお原宿の定番スイーツとして君臨している「#クレープ」に対して、「#タピオカ」は果たして多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。

1割程度の規模感で「#クレープ」より「#タピオカ」の方が多い結果が確認できました。過去までは遡れていませんが、この1年でタピオカがどこまで数を増やしたのかの推移は気になるところです。

そんな「タピオカ」ですが、関連50件のハッシュタグを選定し、同日で一斉に観測を行っております。なお、企業が展開しているブランド名のハッシュタグは、漢字にせよ英語にせよ、海外での使用とかなりの割合で混同していると考えられるため、今回の観測対象としては見送っています。

「#タピオカ」、「#タピオカミルクティー」の2強

「#タピオカ」が725,225件、「#タピオカミルクティー」が205,040件。観測された「タピオカ」関連ハッシュタグで数十万件規模のものはこの2つとなりました。現在、タピオカ屋さんに行くと、さまざまな種類の豊富なメニューが私たちを楽しませてくれますが、その中でも圧倒的な定番メニューとして「タピオカミルクティー」の存在があるということが推察されます。また、数万件規模のハッシュタグについては、「#タピオカ巡り」、「#タピオカドリンク」、「#タピ活」、「#タピオカミルクティ」、「#タピオカ専門店」が観測されました。

「#タピオカ」の増量は2倍が定番

追加・増量系のハッシュタグを抜き出すと、2倍が多い結果となり、3倍より4倍や5倍が多いことは考えづらいことから、増量の際は2倍がみんなの中での増量の定番となっていることが推察されます。

「#新宿タピオカ」が「#原宿タピオカ」より僅かに多い

地名系ハッシュタグの概要を追うために上記ハッシュタグも選定に加えていたのですが、「#台湾タピオカ」が「#東京タピオカ」などを抜いて、もっとも多いという結果になりました。もともと台湾からの出店が多いこと、台湾旅行の写真をアップする際にハッシュタグをつけている人も多いことなどが背景にあると考えられます。

その上で東京都内の「原宿」・「渋谷」という若者のイメージが強い街、人種と文化が様々に交錯する街でありつつタピオカ屋さんの出店が続く「新宿」・「池袋」、職場のある「銀座」を「#(街の名前)タピオカ」のハッシュタグで比較してみました。結果、「#原宿タピオカ」を僅差で抑えて、「#新宿タピオカ」が最多であるという結果となりました。若者濃度の濃い原宿でありながら、人間の絶対数の多い新宿からの投稿がボリュームとしては大きく出たということかもしれません。

タピオカが好きな人を表すのは「#タピオカ好き」

タピオカが好きな人を表す言葉として、「好き」、「中毒」、「依存症」、「○○ラー」、「大好き人間」、「女子」、「星人」などの言葉を検討しました。シンプルなものが好まれるのか、「#タピオカ好き」8,255件が最多という結果となっております。

「#タピオカ巡り」>「#タピ活」>「#タピオカ部」

「タピオカを嗜みにいく行為」系ハッシュタグを、「巡り」、「活」、「部」、「のある生活」、「○○る」など、他でよく使われている文法に当てはめて比較した所、「#タピオカ巡り」の41,717件が最多という結果となりました。「#タピ活」、「#タピオカ部」なども相対的に多く使われているようです。一方、日常用語の中でも「タピる」などは過去形の「タピった」と併せ、街の会話の中でも聞こえてくる状況であるのに、そこまで件数が伸びていないという印象がありました。動詞という特性上、若干ハッシュタグとして使われずらいことが、件数が伸びていない理由であるのかもしれません。

「#タピオカミルクティー」>>「#タピオカミルクティ」

「#タピオカミルクティー」の規模感は前述の通りではありますが、「ミルクティー」ではなく「ミルクティ」だとどうなるか観測してみましたが、1桁小さい規模感で使用されていることがわかりました。

『「ティー」は「ティ」より多い』説

上記、「#タピオカミルクティー」関連の観測結果を受け、「ミルクティー」と「#ミルクティ」について、追加の観測を行いました。

タピオカはついていないものの、「#ミルクティー」は「#ミルクティ」より1桁多い規模感のものであることがわかりました。

また、この結果を受け、同じく「○ティー」と「○ティ」の表記にばらつきが多そうな「#パーティー」と「#パーティ」についても観測を進めました。

こちらについても「ティー」である「#パーティー」が「#パーティ」を規模感として1桁上回るという結果となりました。本論と逸れるので、こちらの検証は一旦ここまでとさせていただきますが、どうやら多くの人にとってカタカナ言葉の「ティー」は「ティ」より馴染み深いものであると推察されます。

おわりに

実は去年タピオカブームが来た当初、そこまで「タピオカ」ムーブメントを重く受け止めていませんでした。ただ、冬になってホットタピオカを飲む機会がたまたまあって、そのおいしさにちょっとした衝撃を受けてしまったんですよね。それ以来、遅れての参戦にはなりますがタピオカにはまることになり、「もはや観測せざるをえない」そんな想いで今回の観測を行うに至った次第です。皆さんの何かしらの気づきに繋がれば嬉しく思います。


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