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【書評】リーダーの仮面

本屋さんなどではよく見かけるので、積読に加えていたものでしたが、すさまじい本でした。
率直にいうと、「読み手によって異なる感想になるだろう本」だと思います。

この本では対象の読者を下記のように説明しています。

この本は、そんな識学のメソッドを元に、「若手リーダー」に向けてマネジメントのノウハウを伝えるものです。

初めて部下やスタッフを持つような人、いわゆる「中間管理職」を想定しています。

紹介文より

しかし個人的には、このようなマネジメントが効果を発揮するのは、下記の条件がそろっている場合だと思います。

  1. ピラミッド構造の縦割り組織である

  2. 構築済みのビジネススキームを効率的に回すことが主業務である

  3. 人材リソースの品質が安定していない(対象読者であるマネージャー含め)

この条件に当てはまりやすのが、結果的に対象読者になるだけで、必ずしも若手リーダーの全てがこの対象になるわけではありません。むしろ条件に当てはまらない組織やプロジェクトのマネジメントにおいて、解釈を挟まず愚直に実行するとマイナスに機能するでしょう。ただし、そのようなマネジメントが要求される人は残念ならが決して多くはないでしょうが。

少なくとも医療業界においては、3はところによりますが、1.2は当てはまるところは多く、このマネジメント理論が比較的有効に機能してしまう可能性が高いように思えます…。

ついでに、この本は筆者の考えに対する根拠が脆弱(というかない?)ので、主張の斜め読みでサクサク進んでしまい、軽く読めてしまいます。このあたりは他のビジネス書籍と比べても際立った特徴といえます。

総じて「参考になる本」ではありますが、筆者はこの本をバイブルとするような中間管理職者のことを本音ではどう思っているのでしょうか…。

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