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ぺぺぺの会
2022年11月29日 14:55
書かなければいけないものほど書けない。書くためにコーヒーを淹れ、焼き菓子を用意した。思考はビタ1mmも働いてくれやしない。逃げ道としての煙草を吸っていればよかったと思う。判を押したような日々の繰り返しが嫌になって、映画館に逃げていた。田舎のイオンシネマは空いている。日中か、夜の変わった時間に行くと、2,3席しか埋まっていない。世界一美味しいポテトフライが売っていたから、さみしさを紛
小池舞
2021年5月5日 19:25
ぼくらの病気は蔓延している森は呼吸をやめない隆起した丘に影が差そうとも綿毛が散るささくれだった夢についてぼくらの病気は蔓延している美しさをやめない不揃いになったコマ送りの嘘を想う日夜走り書いた水溜まりのことなにもないよ ほんとのはなし逆さまになった休日一等よい迷彩の隙間沈みこむ融けるよに張り巡らされているのはネットワークだけではないどうか不遇をかこつことなかれ汚れ
2021年11月24日 21:08
柔軟な衝立があって甘噛みしている野生に包帯を巻く言葉雨知性だけ 蒸留される迎えに来て付箋だらけの英和辞典爪に釘を刺すように目土数珠は天然石輝きを増す干渉を許す冷たい美術土嚢でできた秋の祭典話者ではない共通言語ではない膝の上世界で一番美しくなりたい狂いそうに狂っている折り重ねられた 灰灰と束ねられた髪切り取り畳み浸けられる唇はいらな
2021年12月12日 15:58
雨でも降ってくれたらいいのにあい、を探す私とそれ以外 あいトー横はひとりぼっちで溢れかえっているらしい優しい人から死んでいくから友達と呼べないのは ひとりを選びたくないからクリーニングに出している上着を受け取りにいかなくちゃたばことコーヒーの染みぜんぶ漂白されて ね隠したいから服を選ぶここ から ここ まで 着たい眼鏡でもいいよ ね兄に会いたいたったひとり産み落と
2022年4月1日 10:16
カーテンの向こう側に見える鹿の親子が遠くから見ている視界はクリアでどこかで行われている反抗と無縁素直になれる気がしていた朝露で濡れた草花カリカリに焼かれたベーコンお揃いの枕並べて眠ろう目が覚めなくてもいいよこれは愛だなんて言えないよ 顔が紅潮する手と心臓が繋がったみたいです左右が揃ってない靴下とか角に溜まったほこりとか面倒な話し合いはまたどうか迷子になって
2022年4月19日 01:35
人はたいていちたいをさらしているし、なにゆえにナップサックの紐を調整してみたり終電前の火災はこだまだし羽の生えたみずいろは泳いでいるししっちょうしてるからぶんれつしてるから雨天りょうようで持ち直すしヘップバーンを身勝手と言うにはまだあおいとおもうよフィルムを装填するとき銃口を突き付けるような心理になるホッピーを教えてくれたとき 始まって終わった始まってなかったから終わった両手
2022年7月6日 23:53
どうしようもない大人の携帯は割れているしイベントが始まる度に終わりを憂いている心と頭が離れていって変わらない後ろ姿を探しているし、変わらないから、悲しいと思う体が沈んでってここは海だから目が滲んでいても自然ですってそれはもう撹拌されたあとの話ですヒッチハイクのひとつでも経験してれば得られた勇気を信じたくはないし、中指を立てるほうが勇気がいるんだって思う眠っていることと起きていることの差
2022年4月10日 19:40
彼女がため息をついたのは、私が全てを吐き出しきった後だった。「大体わかった。で、どうするの?」ハツはいつでも合理的だ。でも私が欲しいのは解決策ではなく、上っ面でいいから寄り添いの言葉なんだ。せめて、ハツ自身の評価がほしい。「いや別に、反対しない。でもさ、今後のことを思うとね。」副流煙で充満した空気が肺を出入りすると、自分がそのまま煙になってしまいそうになる。ハツはやたら細長いそれを愛用して
2022年3月28日 14:32
て僕がここにいるのにどれほどの意味があめ残寒 満ちあいつなんて遊び やめようお前なにしてる煙草 墓 朽ちて僕がここにいるのにどれほどの意味があめ鱗屑 落ち酔狂はやめにしつ席を立たないでください事故防止のためある様子めある様式は美しつ迫りつ来る 来る くる きたこの文字列にどれほどの意味がない様子めないなかったそこには誰も
2021年9月3日 22:55
早朝はやけに涼しい煙のまち日の当たらないところ公園が取り壊しになる老朽化が進んだ遊具と錆びたフェンス団地の3番公園あいつの家 電線 木 俺の家スーパーのゲームセンターで遊んだ機体あいつ 新居に置く夢もう叶えたか夕日と小雨の粒とひかり あとペトリコールバスを逃すと次は30分後走る、靴が濡れることを構わず道はところどころ税金でパッチワークされてでこぼこしているあいつの親の
2021年2月3日 01:40
昨日の快晴が嘘みたい眺めているだけで参加できない夢めとあなたは言った搾取されては余ったものをうまいうまいというハンバーガーかハンバーグかの違いほんとに?ほんとうに?ほんとーに?ほーーんとに?朝目が覚める 窓を開けても見慣れない風景が流れるはやい たかい人は鏡と教えられた人だけが見える食べたグリーンカレーが美味しかった小さなじゃがいもが柔らかかった辛くて鼻水が止まらないや
2020年5月29日 20:17
あらぬ場所に私はいる。そこは井戸の中かも知れないし、とんかちで叩かれた頭の中かも知れないし、からくり人形の中かもしれない。鼠取りに一部を取られたから、四肢の残りを以て動く。葬儀場からは狼煙が上がって、嫌に咽ぶものだ。「向こう岸」と記された立て板は墨が滲み、経年の劣化が著しい。「ここ、ここに居るんだ。」喉元を響かせる老人の声が頭上から降ってくる。何か用か、と言い掛けて止め