歌人 笹井宏之さん と笹公人さん
笹公人著「シン・短歌入門」NHK出版 を読んで。
笹公人さんは、この本の中で、ご自身が5年前に日経新聞の中で書かれた記事を紹介しておられます。
歌人の故・笹井宏之さん のことについてです。
まず、笹井宏之さんの歌から始まります。
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水田を歩む
クリアファイルから散った真冬の譜面を追って
笹井宏之
笹さんは、この歌を、真冬になると必ず思い出されるそうで、故・笹井宏之さんのことを、「彗星のごとく短歌界に、あらわれ、そして去っていった」と書いておられます。
笹短歌ドットコムという笹さんの短歌投稿ブログに
笹井宏之さんが、投稿してきた時の感想を、
" 笹井くんは最初から、完成度の高さ、世界観で
他の投稿者とは一線を画していた。彼の歌は、詠む対象すべてに愛があり、ひとびとを優しく包み込む。"
と、評価され、ご自身のその短歌投稿ブログを受け継いでもらおうと、心の中で決めておられたそうです。
笹井宏之さんは、笹公人さんの所属する未来短歌会に入会することとなります。
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天井と私のあいだを一本の各駅停車が往復する夜
笹井宏之
笹井宏之さんの第一歌集「ひとさらい」(書肆侃侃房)の批評会で、笹さんがお祝いの電報を笹井宏之さんに送られたときのこと。
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私は、ここを読んで、喉をぎゅっと締め付けられ、泣けてきました。
表題は" 花一輪 "です。
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この本は、ポップなイラストの表紙で、イラスト入りの短歌の作り方Q&A、で構成されており、笹さんと笹井さんのこんなエピソードが終わりの方に書かれているなんて思いも寄りませんでした。
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私が、ときどき戻って来ては読む、笹井宏之さんの短歌のうちの幾つかです。
※ 明日から8月になります。
「八月のフルート奏者」なので8首、と思いましたが、9首になってしまいました。
でも、どれも外せません。
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