ざつ

陽気でいたりいなかったりする記

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    愉快にいきたい3人の溜まり場

最近の記事

17.こきゅう

ひとつ、息をついてみる。 泣いてみるか、と考えるけれど、涙は出ない。「大丈夫」と呟いてみる。 だいじょうぶではない。大丈夫ではないが、必ず大丈夫になる。 ふたつ、息を吸ってみる。 溜息を落としそうになり、慌てて目一杯の空気を肺に送る。 こぼれ落とせるはずだった希望を、希望を、体いっぱいに含んでみる。希望は重たいんだなあ。 みっつ、目をひらいてみる。 まだ、ここにいる。やさしくはない光が、遠く遠くにみえる。

    • #14.まぶしいあさを

      朝を祈ることができるというのは、たいへん眩しいことだなあと思う。 ある時、友人と行ったカラオケで初めて、「よい朝を、いとしいひと」という曲を聴いた。 また、ある時、『違国日記』という漫画で、主人公である“朝”の母親が、朝に贈る予定だった日記の中で、こう記していた。 あなたに訪れる朝が、よいものであるように、必ず訪れる日々に、あなたが愛されますように。あなたが朝を、日々の連なりを眩しく思えたら良い。 朝を想うことは、大きな大きな祈りだなあと沁々感じる。 拝啓、お二人様。

      • #11.りんかく

        書きたいことはたくさんあるはずなのに、言葉が浮かんではそのまま浮遊して、いつの間にかわたしの身の丈からは遠い遠いところで、所在なさげにこちらを見ている。ような感覚がある。 何を話したかったんだっけ、この感情を表す言葉ってなんだっけ、わたしはこの感情を知っていたんだっけ、あれ、わたし何を感じていたんだったかな。 言葉を持たないといけないんだったか、暑い熱いな、ああそういえば発熱していたんだった、あれ、ここに居たかったはずなのに、どこに居るんだっけ、吐く息が熱い。ああそうか、そ

        • #8.しんしょう

          「あなたが、生まれることを選んで、望んだことよ。」 そう、言われ続けてきた。 あなたの魂は、あなたが選んでここに在るの。 それなら、初めから取り消したいと思った。 わたしが選択をし、手を伸ばしたというのであれば、わたしがそれら全てを無かったことにしようと、それもまた、わたしの選択であるはずだ。そう思った。 常、遠いところへ行きたいと思っていて、 実際、行ってみたこともある。 わたしが今、ここで見ているものから遠く離れた、想像では追いつかない、わたしの身の丈からずっとずっと

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        記事

          #5.はる

          真っ白なnoteの記事を見つめること2週間と3日、なにも書けないなあと思いながら、空っぽの両手でとりあえず文字を打ってみる。 わたしの住んでいる土地では、新しい年が明けて、1月の下旬から桜が咲く。まだ縮こまってしまう程の、強く冷たい風が吹き抜けている頃だ。 それでも、この時期から徐々に気温は上がり、2月に入ると昼間は20℃前後が普通になってくる。居間でぼんやりと灯る液晶の向こう側では、雪の吹きすさぶ景色が毎日流れている。最強寒波らしい。 わたしはそれを横目に窓を開け、網戸だ

          #5.はる

          #2.ひかり

          わたしの家の庭には、3本のマンゴーの樹が植えられていて、その年に実をつけようがつけまいが、みどりの葉を重たそうにもたげて、 11月頃までよく繁る。 常緑樹なので、放っておくと、とにかく繁る。おかげでうちの居間には、夏の間、みどりの葉の隙間からこぼれた薄い陽のひかりしか届かない。 だけどそれも、11月の初めまで。 3本のマンゴーの樹は、防風林の役目も果たしてくれているので、嵐の到来が和らぐ季節を迎えると、その役目はおしまいだ。 今年も家を嵐から守ってくれてありがとう。 一言

          #2.ひかり

          雑記

          自分の世界を見つめすぎず、他人の日常に期待することなく、淡々と穏やかに毎日が畳まれていくと良い。誰かと生きようとしなくても良いし、生きていてもかまわない。他人を愛そうとしなくても良いし、誰かと誰かが愛し合うことを、必要な営みであると理解しなくてもかまわない。ただ、事実として、眺めているだけで過ぎて欲しい。 救われることを過剰に望むことはしない、救われなくても生きている。生きていることを尊いと思わなくても大丈夫。 日常を着実に重ねていることを忘れないように、足下を見つめながら歩

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          空と何かしら

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          陶板名画の庭

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          植物たち

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          空と何かしら

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          空と電線と建物と工事現場のアレ 2

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          空と電線と建物と工事現場のアレ

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