童話 グロッタの洞窟探検
洞窟がある。中はすぐ暗闇になっていて一寸先も見えない。
この村の長老が指名すると、指名された人物は問答無用で洞窟に入らなければならない風習がある。中に何が待っているかも分からない暗闇に足を運ぶのはとても勇気がいることだ。だから、指名された人物が洞窟へ向かう日、村の衆は皆揃って見送りをする。十分な装備を持たせて、向こうでも不自由なく暮らせるようにと。
洞窟の入口付近にはいつもある程度の人がいる。
いけよいけよと押しつけ合う人たち、
勇敢に何の装備もなくただ一人入口に向かう人