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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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2022年10月の記事一覧

第247話:あたりとおまけ

第247話:あたりとおまけ

子どもの頃、当り付きのお菓子があって、よく買った。

オレンジマーブルガムとか、うろ覚えだがペプシコーラとかチェリオみたいなジュースの王冠の裏にも当りがあって、当るともう1個もらえた。
それはそれは楽しみだった。

記憶をたどればいくらでも出てきそうな気もするが、ホームランバーも懐かしい。食べ終えたアイスの棒に「ホームラン」とあればそのまま一本、「ヒット」なら5本(たぶん)集めれば一本がもらえた。

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第246話:いただきもの

第246話:いただきもの

我が家の庭の金木犀が今年も花を付け、いい匂いを漂わせています。
わが家と言っても、借家です。
築60年位かなあ、オンボロちゃんですが、思い返せばもう30年近くここに住んでいます。

カミさんが、樋から雨がびちゃびちゃ落ちてくるのと訴えるので、昇ってみて見ると、樋の水受けの部分に土が溜まり、そこから木が生え出していました。

そうでなくても、いろんなものがよそから舞い込みます。
例えば、ミョウガが群

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第107話:油断一秒:異言語編

第107話:油断一秒:異言語編

油断一秒怪我一生ということばがある。

このことばに関してこんな話が新聞に載っていた。中国の視察団か何かが日本を訪問し、ある工場を訪れたところ、この標語が壁に貼ってあった。
これを見た視察団の一行はエラク驚いたのだそうである。「日本人は恐ろしいほどの働き者である。これだから日本はすさまじい急成長を遂げたのだ」と。

我々にとっては、常に危険と隣り合わせの工場で、怪我をしないために一秒の油断を戒めた

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今日の秋

今日の秋

今、勤めている学校は校庭に沿うように山があり、イノシシがテニスコートに出没したり、やたぬきが校舎内に迷い込んだりもします。

お堀の名残の池にはカワスミが来たり、今はカモが渡って来始めました。コイもいれば、夏にはウシガエルが異様に大きな声で鳴いていたりもします。

そんな池の周りでこんな実が生っているのを見つけました。
何だかお分かりになりますか?

アケビです。
木通とか、通草とか書くようですが

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第75話:うまい話

第75話:うまい話

独身の頃、自分で言うのも何だが僕はよくモテた。

と言ってもそれは僕の容姿や性格が女性に歓迎されたということを意味するわけではない。見合いの話が結構あって、要するに職場のオジサンたちによくモテたということになる。
それも、僕自身のやはり性格や容姿より、僕が三男坊で、どこに行こうが婿に入ろうが一向に構わないという僕の条件が僕をモテさせたことになる。

時には先輩に「ちょとこっちへ」と呼ばれて「ウチの

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第33話:戦争に行かせない

第33話:戦争に行かせない

教員の中には真面目な顔でウソを言い、生徒をだましてそれを喜びの種にしているような悪い人がいる。

ついこの間も女子生徒が来て、「貧血で困っているんだけどどうしたらいい?」とある教師に質問したのだが、彼は「鉄分を取ればいいんじぁないの。ホウレンソウとかレバーとか。」と言ってから言葉を継いで、
「そうだなあクギなんかもいいぞ。」
などと返答をしていた。

その生徒が怪訝な顔をすると、彼は「大工さんはク

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第245話:思いこみ

第245話:思いこみ

以前、東京に一泊の出張した時、電車で行けばいいものを車で行き、ホテルの駐車場に車高が高くて入らず、近くの安いコインパーキングを紹介された。
「1日最大で1400円ですから」と言われ、
駐車場に行ってみると、確かに
「24時間1400円」と書いてあった。

2日で2800円。

まあ仕方ないと入庫。しかし二日目の夕方、清算すると、なんと7800円(くらいだったと思う)の請求金額が示された。「そんなは

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第184話:てざわり

第184話:てざわり

手触りの話がしたい。

例えば「お金」。
キャッシュレス決済がスマホという「道具」を利用して一気に進もうとしている。あるいは、仮想通貨が国という単位を飛び越えて市場経済の中で主役に躍り出るかに見える。

昔は例えば、給料は現金支給だった。僕が30歳半ばくらいまでは。給料を袋に入れる事務は神経のいる大変な仕事だっただろうが、もらう方は嬉しかった。給料袋に入れられたお札の厚みを自分の労働の対価として感

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