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恋してる時に限って…
初めて恋愛らしい恋愛をしたのは34歳。今の夫がその恋人なんですが。
34年間片思いはあれど成就せず、こじらせにこじらせていた私。
やっと好きな人と恋人同士になった私はこのチャンスを逃してならないと猫に猫を被り、本当の自分をひた隠し、失敗してはならぬと毎デートには並々ならぬ緊張感を持って挑んでいた。
今思えば自分で自分に可愛らしい時期もあったもんだと思うが、その時は必死すぎて空回る。
その日
産みたくないと言ってもいいですか?〜命懸けの妊娠出産〜67
出産3日目、今日はお昼から夫が面会に来てくれることになっていた。
「おはようございます、空月さん。朝の検温と血圧測りますね。お風呂の許可がまだ出ないので、今日は洗髪をしようかと思うんですが、何時がいいですか?」
「おはようございます。出来れば夫が来る前にしてもらいたいです。」
「わかりました!やっぱりご主人さんには綺麗で会いたいですもんね!では午前中に洗髪の予約を入れておきます。あと、今日も
産みたくないと言ってもいいですか?〜命懸けの妊娠出産〜66
リハビリが終わった後、夕食まで少し時間があったので夫にLINEをしようとスマホをいじる。さっき撮ってもらった赤ちゃんとの写真。綺麗に撮ってくれている。赤ちゃんの顔がはっきりと写っており私は満足して夫に写真を送りメッセージを添えた。
『やっと赤ちゃんに会えたよ〜!でも朝から気を失っちゃった…。真っ白な世界で怖かった。なんかそのまま死んじゃうんじゃないかと思ったよー…。』
LINEに夢中になってい
産みたくないと言ってもいいですか?〜命懸けの妊娠出産〜65
主治医の大野先生に赤ちゃんがくると聞いてから数十分後、コンコンと部屋のノックが聞こえた。
(き、きた!)
「は、はい。どうぞ。」
私は若干緊張して返事をする。カラカラと小さいコットに乗せられて赤ちゃんが入ってくる。
「わぁ〜!」
こんなに小さかったっけ?と思うほど小さな小さな赤ちゃん。そうだそうだこんな顔だった。2日ぶりに見た我が子がスースーと寝息をたて気持ちよさそうに寝ている姿はなんて
子供のやる気を削ぐ親は情熱泥棒かもしれない。
何もかもに手のかかる時期を過ぎ、自我が芽生え、あれこれとやりたいことが出てくる時、親はいかにその子のやる気を応援し手助けすればいいのだろう。
もしかしたら我が息子はサッカーがしたいと言うかもしれない。
もしかしたらピアノがしたいと言うかもしれない。
いざその時親はサッカー教室やピアノ教室、今なんてプログラミング教室も人気みたいだが通わせることにするだろう。
そして親はその子のやる気を持続さ
防災について。子供がいると思うと急に怖くなった結果。
先日3・11が過ぎ、子供が産まれてからというもの育児に忙しく防災について考えることがなかったなとふと思いついた。
私は幼い頃に阪神大震災に遭い、震源地から離れてはいたが震度5強という揺れを体験している。ここ日本は地震大国、また近年ゲリラ豪雨、洪水といった災害も多発している。防災は常日頃から考えておかねばいざその時になって何も用意がないとなると大人だけだった頃より一層怖いことなんじゃないかと思い至
産みたくないと言ってもいいですか?〜命懸けの妊娠出産〜64
「空月さん。」
呼ばれて目を開ける。また眠ってしまっていたようだ。胸が張って痛い。
「レントゲンに呼ばれたので行きます。ベッドを動かしますのでそのままでいてください。」
二人の助産師さんがベッドを押してレントゲン室へ連れて行ってくれる。天井がどんどん進んでいくのを見ていると目が回ったので目を瞑ると助産師さんがすぐ
「しんどいですか?」
と聞いてくれ、私は
「いえ、天井見てると目が回って